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吉岡里帆、今の自分を作ったのはエキストラ時代の原体験

暮らし

エキストラ参加した現場での“強烈な原体験”

――吉岡さんと言うとかつては夜行バスでオーディションに通う日々のエピソードが有名ですが、その時に辞めようとは思わなかったのですか?

吉岡:一回もなかったです。続けてこれたのは、閃光が走るじゃないですけど、それくらい映画の現場に感動したからです。こんなに面白そうなことが世の中にあるのかと発見した、気づいたような感覚。

 当時、大規模な映画にエキストラで参加ことがあったのですが、それが本当に暑い日で。炎天下でジリジリと肌が焼けて、スタッフさんもキャストもみんな汗だくで、ただ天を仰ぐだけのシーン。それを1日かけて撮っていたんです。それが原体験でした。人が感動するものを作るとはこういうことなのかと。その一致団結感というか、わたしもこの一部になりたいってわくわくしたあの感覚が、今だに消えず、燃えている感じです。

「どんな役ができるか?」10年単位で考える

吉岡里帆

――今は成長期と言われましたが、これを経て、30代・40代のことは考えたりはしますか?

吉岡:考えます。10年単位で仕事のことは考えます。自分が40代になる時、50代になる時、どういう役ができるようになっているか? とか、逆算して今の年齢ではこういうことをやっていかないといけないだろうとか考えることは多いです。

――それが今だと母親役だったと。

吉岡:母親役はずっとやってみたい役だったのもあり、オファーをいただいて嬉しく思いました。「不器用で未熟な親」というのは今この年齢だからできる役だとも感じました。どちらかというと直感型なので、これはいますべきだろうという自分の直感は信じています。

――今の20代・30代にメッセージをお願いします。

吉岡:大変なことも納得がいかないことも、日々仕事していたらあると思いますが、それを乗り越えた先に、喜びや楽しい時間が待っている、何かしらのプラスが生まれているとわたしは信じています。みなさん、一緒に仕事を頑張りましょう!

<取材・文/トキタタカシ 写真/桃>

映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに

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©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

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