花澤香菜、やめるはずだった芸能活動「声優への背中を押してくれたのは母」
大きな影響を与えてくれたのは母
――辞めたいと報告するところまで行っていたのですか?
花澤:はい。でもそのときに「(事務所の方に)声がいいから辞めないで、続けて欲しい」と言っていただきました。そこで、必要とされる場所があるなら、声で必要としてもらえるなら、求めてくれる人たちと一緒に働きたいと思ったんです。
――事務所の方の言葉もそうですが、お仕事をしていくうえで、大きな影響を受けてきた人や言葉はありますか?
花澤:声優の仕事をやるという決断の背中を押してくれたのは母です。今でも何か迷うことがあると、最後の切り札になってくれるのは母なんです。でも母に相談するときというのは、もうだいたい「やりたい」という気持ちがあって、それを最後に押してほしいという気持ちなんですけどね。
私の母は20代の若い頃に私を生んでいます。そして弟との2人姉弟を、何不自由なく育ててくれた。仕事も早い段階で復帰して、今も働き続けています。そうした母のバリバリと働いている姿には、大きな影響を受けていると思います。
前向きに未来を考えられる作品
――ありがとうございます。最後に花澤さんが本作から受け取ったメッセージを教えてください。
花澤:いま大変な世の中で、さまざまな意見があって、何が正しいのか分からない状況ですが、いろいろ思っていいし、選択していっていいんだよと言ってもらっているようでした。
エンターテインメントとして純粋に面白い作品であるとともに、もちろん自然と人間の共存についても描いていて、人間による自然破壊も描かれますが、そこで胸を痛める作品というよりは、前向きに未来を考えられる作品なんじゃないかと。「不安はいっぱいあるけれど、きっと選択肢はたくさんあるはずだよ」と、前向きなメッセージを私は受け取りました。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
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