上司に無視されないビジネスチャットの送り方。一番避けたい事例も
既読スルーされないテキスト「4つの要点」
では、ここで「既読スルーされないテキストのポイント」を整理します。1つ目は、先ほども述べたように、チャットの目的が明確であること。
2つ目は、読み手のことを理解していること。相手の忙しさや回答スタイルを考えて送ると、返信しやすくなると思いますね。例えば、忙しい人には、ポイントしか書かない、自分のなかで仮説を立てて回答を選んでもらえるようにする……などです。でも、「自分で考えたい」という人にはゼロベースで聞くようにしています。相手次第で聞き方を変えるということです。
言葉の使い方も変わってきますね。フランクな言葉遣いを好む相手には、フランクに返信する。読み手のタイプとかに応じて工夫すると、読んでもらえる確率が高くなります。
ビジネスチャットで一番避けたいことは…
3つ目は、内容がきちんと言語化されていること。言語化が上手くなる方法としては、ひたすら文章を短く書く訓練をするのがおすすめです。「もっと短くなるのでは?」「違う書き方はないか?」と、書き直しをしていく。「チャットは5行以内」など、自分で制限を作ってしまうのもいいですね。その枠の中で、メッセージをどう伝えるのか。工夫していくうちに、分かりやすい文章が書けるようになります。
4つ目は、読んでもらえる文章であること。何について書かれている文章なのか、目的は何なのか冒頭に書く。「受け取った相手にとっての意味があるのか」「何をすればよいのか」を伝えることが必要です。期限がある場合には、分かりやすく期限を書いておく。赤字や太字にしておくのもよいと思います。
上司は部下の心を読むことはできません。全くコミュニケーションをしなければ、上司は部下が何に悩んでいるのか分からない。悩んで仕事が止まったままになってしまうのが、一番避けたいことです。目的意識と言語化能力を磨いたら、恐れずにチャットを送っていくことが、今の時代には必要だと思います。
<取材・構成/吉田瞳>