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コロナで収入ゼロも。27歳「週末式場スタッフ」が歩むパラレルキャリア

学び

 好きを副業に――IT企業に勤務する新田芽衣さん(27歳)は、ずっと憧れていたウェディング会社に副業のスタッフとして携わっています。「好きな会社だからこそ、外から魅力を発信したい」という思いから、あえて副業として働くことを決めました。

副業

株式会社シューマツワーカーの新田芽衣さん

 平日の日中は正社員として働き、夜は結婚式の打ち合わせ。土日のほとんどは式場スタッフとして勤務。自分の思い描いていた順調なキャリアを歩んでいましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、3月以降はほぼすべての式が延期、キャンセルに……。

 コロナ禍で大きく変化した新田さんの働き方やブライダル業界の新しいあり方についてお話を伺いました。

自身の結婚を機に知った副業先

――結婚式場での副業はめずらしいですよね。どのような経緯で働くことになったのでしょうか。

新田芽衣(以下、新田):5年前、当時の彼と結婚を意識し始めたとき結婚式について調べていたら、「CRAZY WEDDING」というウェディングサービスを見つけました。新郎新婦の人生背景や価値観を元に完全オーダーメイドで、進行・装飾をつくりあげる結婚式です。正直、そこまで結婚式に興味があったわけではなかったけれど、「完全オーダーメイドウェディング」という考え方にすごく惹かれて。

 諸事情で式を挙げることはなかったものの、会社自体の大ファンになり、「ここで働きたい!」と思うようなりました。もともと保育士として働いていましたが、当時は転職活動中だったので求人サイト経由で応募してみたんです。

 面接の際にいろいろとお話をしたら、従業員が連れてきているお子さんのベビーシッターとしてアルバイト採用をしていただけることに。1年ほど働いたのちに、結婚式当日の運営をサポートする「キャスト」と呼ばれるアルバイト業務も任されるようになり、スタッフの採用や研修、式当日の準備や片付けなども担当していました。

――憧れのCRAZY WEDDINGで働くようになったものの、本業にしなかったのはなぜでしょうか?

新田:会社のカルチャーに共感はしていましたが、正社員として働くよりほかの仕事もして、外から魅力を発信したいと思ったからです。なので、2018年に副業する人と企業のマッチングサービスをしている株式会社シューマツワーカーというIT企業に就職し、CRAZY WEDDINGは副業として携わるようになりました。

最初はうまくペースが掴めず苦労も

副業

オーダーメイドウェディングの様子

――会社員の本業と結婚式場の副業の両立はかなり大変そうです。

新田:シューマツワーカーは副業を紹介する会社で従業員にパラレルワークをしている人も多いので、副業やすい環境ではあります。

 それでも最初はうまくペースが掴めず苦戦しました。基本的に平日の日中は会社員として働き、夜に結婚式の打ち合わせがあるのですが、スケジュール管理を失敗して残業が入りそうになることも。今は本業をなるべく早い時間からはじめたり、本業先に「今日は夜は予定があるので早めに退勤します」と伝えたりして、副業とかぶらないように気をつけています。

 今は、本業がきっかけで知り合った人にも“副業でウェディングスタッフをしている人”として認知してもらっており、まさに自分の憧れていた働き方ができていました。ただ、新型コロナウイルスの感染が広がっていくうちに状況はどんどん変わっていって……。

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