新人の余興はパワハラか?元フジ・菊間千乃弁護士に聞く
コンプライアンスという言葉を聞いたことはありますか。直訳すると「法令遵守」ですが、いまほど、このコンプライアンスの意識が強く求められている時代はありません。
パワハラやセクハラ、軽犯罪法違反など、一昔前なら「これくらいいいだろう」で通ってしまったようなことでも、いまは大事になり、人生に致命傷を与えてしまうことだってあります。そんなニュースを、毎日のように目にしますよね。
「時代の変化に合わせて、私たち自身も認識をアップデートしていかなければいけません。10年前の感覚では、危険です」と話すのは、元フジテレビのアナウンサーで、今は弁護士として活躍する菊間千乃さん。
9月に『いまはそれアウトです! 社会人のための身近なコンプライアンス入門』(アスコム刊)を上梓した菊間さんに、いま私たちが持つべきコンプライアンスの心得と知識について話を聞きました(以下、菊間さんより寄稿)。
「やってしまいがち」が人生の致命傷に
私は、コンプライアンス研修をするときに、コンプライアンスとは「法令遵守など」であり、この「など」もとても大事なんですよ、とお伝えしています。法律の周辺にある社会のルールや、社会人として求められる規範といったものです。こういったものは、時代とともに変化していきます。昔の知識のままでいると、状況を見誤り、法律違反として処罰されたり、会社の中で懲戒処分を受けてしまったりすることもあります。
実際に私が担当した事案では、大勢で飲み会をしている時に撮った写真をSNSの内輪のグループで共有していたところ、A子さんの洋服が少しめくれ上がっているような写真があったとして、A子さんから会社にクレームがきたというものがありました。
知らずに加害者になってしまわないために、そして、あなたが被害者になったときに自分の権利を回復するために、「その言動がどんな犯罪や懲戒処分の対象になるのか」という知識は、絶対に必要です。法律は、知っておいて損はありません。仕事で、プライベートで「やってしまいがち」ないくつかの事例を通して、ご自身の行動をチェックしてみてください。認識のアップデートはできていますか?