サイバーエージェント傘下になったプロレス団体社長に聞く、経営の極意
コロナは「業界最大手を抜けるチャンス」
――会場費はこれまでと同じですか。
高木:後楽園ホールは若干変わりますけど、他の会場はほぼ変わらず、なんなら変わらないところのほうが多いですね。当然用意している席数のMAXまでお客さんは入りません。これまで後楽園ホールでDDTが興行を行うと、通常1200人くらいは埋まっていたところが、今は客席が間引かれて、最大でも700人分の席しかない。これまでどんなに悪くても800~900人を切ったことがないので、そのつもりでいたんですけど、再開した後に最低動員数を下回りました。
はっきり言って、お客さんの足は遠のいています。関東近郊から来てくれるお客さんも多かったけど、「ライブやスポーツ観戦を極力しないように」と勤め先から言われている人も少なくない。
だから、僕たちはオンラインを伸ばして行こうかと。5~6月で「WRESTLE UNIVERSE」(主要大会の生放送や過去の試合が見放題の動画サイト)で配信していた「DDT TV SHOW」(月2回程度無観客で行うTVマッチ)を再開することにしました。「DDT TV SHOW」を行ったことで動画配信サイト「WRESTLE UNIVERSE」の会員数が増えたんですよ。だからこれは無観客でやり続けるべきだと思いました。
声を大にして言いたいんですけど、今は最大のチャンスです。我々もそれなりのダメージは負っていますけど、ひょっとしたら「業界最大手を抜けるチャンスなんじゃないかな?」とも思います。今までにないアイデアを捻り出して切り抜けていきたいですね。
<取材・文/大楽聡詞 撮影/白鳥純一>