三代目JSB山下健二郎「正直、何も考えてなかった」若手時代を振り返る
25歳のときは正直、何も考えてなかった
――デビューから10年を越えました。大切にしている心がけはありますか?
山下:5年後、10年後に、こういう自分になろう。その目標に向かって今どうするべきかを細分化して考えてはいます。もちろん目の前のことを一生懸命にやることも大事だと思いますが、自分としては、最終的な未来を考えながら、「これはやるべき」「これはやらなくてもいい」と判断したほうがいいかなと。
――25歳の頃の自分を、10年後の今、振り返ってどう思いますか?
山下:う、それを言われると心苦しいんですけど(苦笑)。25歳のときには、正直、何も考えてなかったです。特に30歳を越えてから、今の考えになりました。30歳からの5年間が一番楽しかったですが、これからもっと楽しくなる気がしています。いらないものをはぎ取って、自分の中に太い幹がどんどんできている感じです。
いっぱい悩んで、いっぱい失敗していい
――経験を積んで太い幹が。
山下:根っこを育てるのが一番大事な作業なので、種まきはいっぱいしていいと思うんです。そして水をやりながら、いらないものは捨てて、大事だと思ったものに水をあげて育てていく。そして幹を太くしたら、そこから枝分かれしていくと思うんです。将来、大きな木を育てていくために、何をしていくべきか考えたほうが効率もいいし、楽しい人生になると思います。
――主人公が、自分を見つめ直すために山寺を訪れる本作は、20代が見るのにとても合っている作品だと思います。最後にメッセージをもらえますか?
山下:自分も20代のときにはいっぱい失敗しました。いっぱい悩んで、いっぱい失敗していいと思います。そして、その失敗をあまり悔やまないほうがいい。失敗しない人間なんていないし、失敗を恐れて躊躇するなら、大胆に失敗しろと思います。
失敗して経験を重ねることで、信頼も得られていく。あと自分の信念は曲げないでほしいです。自分に嘘をついてまで人に合わせる必要はないと思います。ぜひ羽吹のように夢や目標に向かって、突き進んでください。
<取材・文・撮影/望月ふみ>