三代目JSB山下健二郎「正直、何も考えてなかった」若手時代を振り返る
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのメンバーで、『HiGH&LOW』シリーズ、ドラマ『遊戯みたいにいかない。』『漫画みたいにいかない。』(ともに日テレ系)など、俳優としても活躍を続ける山下健二郎さん(35)。
放送作家の鈴木おさむさんが脚本・監督を務める主演作『八王子ゾンビーズ』が公開中です。ダンサーになる夢を諦め、自分を見つめ直すために八王子の山奥にある希望寺で修行体験を始めた主人公・羽吹が、満月の下でダンスをすると成仏できるというイケメンゾンビたちと出会う本作。
山下さんらしい温かな魅力と、本業のダンスを生かした本作について聞きながら、「羽吹は過去の自分を見ているようだった」という山下さんに、これまでの道のりと、20代へのメッセージを聞きました。
過去の自分を見ているようだった
――山下さんもダンサーですから、羽吹の気持ちは理解しやすかったのでは?
山下健二郎(以下、山下):僕もオーディションに何度も落ちて、「もうやめようかな」「でも頑張ろう」という気持ちを経験してきたので、過去の自分を見ているようでした。
――ダンスは高校生から、劇団EXILEへの正式加入は25歳のとき。ダンス開始も事務所に入った時期も、ちょっと遅めですよね。
山下:完全に遅いです。目標も何もないままに大学に入ったけれど、やっぱり向いてないなと感じて、辞めました。「このままじゃダメだ」「やりたいものを見つけなきゃ」と考えたとき、母親に「ダンスをやってみたら」と背中を押されて決めました。
――芸能のお仕事ですし、反対する家族もいると思うのですが。
山下:僕は勉強が得意だったわけでもない。だったら、親としてもやる気が出て、続けられるほういいと思ったんでしょう。僕自身、好きなことをしてご飯を食べられたら幸せだし、ダメでも文句を言えない。だから飛び込んでみようと思いました。
根拠のない自信ほど、強いものはない
――羽吹と同じように、山下さんもオーディションにたくさん落ちた経験があると。
山下:何十回も落ちました。さすがにダメージを食らいますよね。「俺って、センスないのかな」って。結果だけ伝えられて、なぜ落ちたのか分からず、モヤモヤすることが続きました。でも、とにかくダンスが上手くないと話にならないので、スキルアップだけは怠らないようにしていました。
――本編には羽吹が「俺のほうが上手いのに、なんであいつが受かるんだ。“華”ってなんだよ」とこぼすシーンがあります。そうしたことを感じたことも?
山下:ありますね。“華”のような生まれ持った才能というのは、やっぱりあると思います。だから僕は、ダンススキルだけでなく、ライフスタイルから変えようと考えました。たとえば、それまでボロボロのスニーカーでオーディションに行っていたのを、専用の一張羅を買いました。あとは人との出会いや、根拠のない自信もすごく大切ですね。根拠のない自信ほど強いものはないので。特に20代は持っていないとダメだと思います。