ドミノ・ピザが“1枚目から持ち帰り半額”に踏み切ったワケ。執行役員に聞く
価格破壊で、ピザを“普段食”に
「お持ち帰り2枚目無料」終了理由については「ひとりや少人数でピザを食ベる悩みとして量が多かったり、値段が高かったりといった声が多く、消費者の需要変化に対し、柔軟に対応していくため」とし、次のように説明した。
「デリバリーだけでなく、テイクアウト需要についても昨年比で利用者数が約70%増加しています。これは、コロナによる自粛期間中にデリバリー&テイクアウトを利用する消費者ニーズが拡大したから。これから新しい生活様式が浸透していくことで、ピザは誕生日やパーティーの際に食べる『機会食』から、日常のライフスタイルの中で自然と食べる『普段食』になりつつあると感じています。
デリバリー最低注文金額の撤廃や、1枚目から何枚でも半額にするという今回の取り組みは、価格破壊とも言われてしまうような値段設定かもしれません。それでも、消費者にとって、より身近にピザを食べてもらえやすくなるのではと考えています。
単価を下げることによる利益への影響も可能性としてはあるものの、KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)の500円ランチ、マクドナルドのドライブスルー好調など客単価増に成功している事例もありますし、常に社会の変化を機敏に捉えることが重要だと考えています」
日本発のクアトロシリーズは世界に広がった
最後に、テイクアウトにおすすめの売れ筋商品を聞いた。
「ドミノ・ピザの原点とも言える商品は『ドミノ・デラックス』ですね。定番のピザとして人気を得ています。また、クアトロシリーズは日本で商品開発され、世界中のドミノ・ピザに浸透していった商品で、こちらもよく注文されています。最近始めた『トッピング2倍盛り』で注文すると具材の量が2倍になるので、ボリューム満点で楽しめ、口に入れた時の満足度が違うので、試してみていただくと良いかもしれません」
ドミノ・ピザの箱には「We’re Domino’s, Hungry To Be Better(私たちは、よくすることにハングリー)」という言葉が掲げられている。ハングリー精神のもと、「価格破壊」とも取れるチャレンジに売って出たドミノ・ピザに今後も注目したい。
<取材・文・撮影/古田島大介>