パワハラを恐れて上司がヘラヘラ…成長できない会社の見極め方
仕事が楽な企業をブラック企業だと思う人は恐らくは少ないでしょう。しかし、一見、ホワイトな企業こそ、長い目で見るとあなたの成長を阻む可能性をはらんでいます。
一般的にホワイト企業と呼ばれる環境に内在する危険性を指摘するのが、『バカはブラック企業に入りなさい』(徳間書店)を上梓した人事コンサルタントの大橋高広氏です。
大橋氏によると、「バカ」とは成長するために頑張る人への敬意を込めた言い方であり、良いブラック企業(グッドブラック企業)と悪いブラック企業(バッドブラック企業)の2つのブラックがあると分析します。働く人にとって本当の意味での良い環境とは? これまでの「ホワイト観」「ブラック観」が覆るかもしれません(以下、大橋氏の寄稿)。
怖がって何も話さない上司たち…
ホワイト企業では、パワハラやセクハラ防止への指導も熱心です。もちろん、そのほうがいいに決まっています。
ただ、僕が気になるのは、いきすぎた管理によって、全員が互いの反応を過剰に気にして 緊張感だけに包まれる関係になってしまうことです。
ホワイト企業の問題点は、まさにそこにあります。パワハラやセクハラの発生に戦々恐々としているのは、誰あろう、その会社の管理職たちです。彼らは、気安く部下の肩を叩くこともできません。プライベートについて聞くこともできません。
その本質は世代間ギャップがあって、管理職が部下になにを話せばいいのかわからないことに原因がありますが、とはいえ職場を円滑にするためにはコミュニケーションをとることが大切です。だから、管理職はみな困り果てているのです。
血の通わない企業の人間関係
これは大問題だと思いませんか?
上司が「パワハラやセクハラだと言われて処分されたら困る」と部下との接点を避けてしまえば、コミュニケーションはとれません。すると、その職場は育成どころではなくなってしまいます。
「触らぬ神に祟りなし」の精神で、仕事にミスがあっても部下に対して、それを直接指摘することなく、上司は自ら処理をしてしまいます。
自分の処遇ばかり気にしている上司を持った部下は、間違いなく不幸です。本来得られるはずの上司から学びを得られなくなってしまうのですから。