「足で稼ぐ営業マン」ではダメ。アフターコロナで求められる人材は
オンライン面接で適切に人材を評価できるか
すでにこの形で数名の採用が決まりました。オンラインであっても画面を通じて、仕草がわかりやすいとか、熱量が伝わるとか、その人を判断する材料はあります。面接官が1人では不十分だったら人を増やして対応することで精度を高めることもできます。
確かに画面越しだと魅力が伝わりづらい人というのはいると思います。ただ、正直に言えば、伝えたいことがあふれ出るような人は画面越しでも変わりません。私は企業経営に関わるようなエグゼクティブ人材を発掘して、企業に紹介するというサービスを提供していますが、「いける」と思う人はオンラインでもリアルでも変わりません。
表情が豊かな人の方が伝わりやすいと思います。画面に向かって微笑みにくいということもあるのは分かりますが、相手が画面、カメラであっても表現できる人はできて、画面越しにすごく情熱が伝わります。仕事のことを話すときに生き生き、キラキラと伝えられる人は素敵だと思います。
例えば、東京都の小池百合子知事、もともとキャスターという経歴もあると思いますが、伝える力という点では安倍晋三首相と比べても非常に高いと思います。伝える力というのはこういうオンラインの世界になるとすごく大きいと感じています。
セールスの仕事はどう変わる
セールスでいえば「足で稼ぐのが営業だ」のような従来型からの脱却は加速します。もちろんセールスという仕事は変わらず必要ですが、足しげく通ったことが実績にならない、プラスにならないという時代に間違いなくなるでしょう。
一方で、「セールスとして今後は何ができるの」ということを発想したり、考えたりすることが重要になります。これはすべての仕事に共通することです。例えば広告宣伝でいえば、巣ごもり需要で多くの人がNetflixに加入しました。「テレビの宣伝はもう要らない」という流れに直面したときに、「次にどういう施策を打つのか」が重要になるのです。
前例のない事態で社会が大きく変化するなかで「だから私はこういう戦略を立ててこうしていくべきだ……」と考えられる人材が重要になる。つまり思考力、想像力、行動力が鍵になると思います。きちんと現象を捉えて、しっかり考えて、いろいろなことを想像する。自分に何ができるのかを考えて行動に移せるか。自分自身の仕事のプロジェクトマネジメントのようなことが必要になると思います。