元AV女優と底辺キャバ嬢が語る、オンナの価値:鈴木涼美×カワノアユミ対談
「若さ以外の価値を模索したら人生がラクに」(鈴木)
鈴木:ブランディングができたら、その後の人生もラクでした。けど、若さだけでチヤホヤされてると、なかなかそこに思い至らない人も多いっていう。当時の夜遊び時代の友だちって今、何してますか?
カワノ:みんな、遊んでても何食わぬ顔で結婚してます。披露宴のムービーが流れると、遊んでた時代はぽっかり空白で消されている(笑)。
鈴木:例えば元AV女優の友人でも、若い時に楽しみつつも、自分の若さ以外の価値を模索していた人は、25歳を過ぎても人生が少しラクそうだったり楽しそうだったりします。
逆に、若さゆえに手に入っているものを、若さゆえに手に入っているという事実に気づかず享受しているだけだった人は、25歳過ぎたら厳しいですよ。最悪、消息不明。
「最近の若いコは理不尽な経験を避けがち」(カワノ)
鈴木:ホストに通おうが風俗で働こうがどんなことをしてもいい。しちゃいけないことなんてないんだけど、自分の価値が何によって定まっているのか、今こんな生活ができるのはなぜかというのは意識しておくべきですね。逆に言えば、それさえわかっていれば、どんな経験だって糧になると思います。
しちゃいけないことはないけど、それだけやってるんじゃダメと言ってもいい。今も連絡取れるような元AV女優の友達って、当時からマツエクとかヨガの資格取ってるんですよね。一方で、ホスト通いに忙しかった人は消息不明。若いときって時間だけはあるから、資格取ったり遊びまくったりいろんな経験をすればいいと思うな。
カワノ:例えば海外に行って、ぼったくられたり、盗難されるのも経験ですよね
鈴木:面白いものを見ておくのはその後の人生でも会話のネタになるしね。あと、世の中、良い人から悪い人までいろんな人間がいるってことは若いうちに知っておいたほうがいいかも。
カワノ:最近の若いコが理不尽な経験を避ける傾向にあるのと、すぐ会社を辞めがちなのって関係ある気がします。
※この対談の後編は近日公開!
<取材・文/安里和哲 撮影/市村円香(@1yen_photograph)>
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごし、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。著書に『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イースト・プレス)、『旅の賢人たちがつくったアジア旅行最強ナビ』(辰巳出版 ※寄稿のみ)など。ツイッターアカウント@ayumikawano
【鈴木涼美】
1983年、東京都生まれ。2009年、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。専攻は社会学。元AV女優、元日本経済新聞記者。著書に『おじさんメモリアル』(扶桑社)『オンナの値段』(講談社)など。ツイッターアカウント@Suzumixxx