元AV女優と底辺キャバ嬢が語る、オンナの価値:鈴木涼美×カワノアユミ対談
『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』を出版したライター・カワノアユミさんと、元AV女優・日経新聞記者で、現在は作家として活躍する鈴木涼美さんの対談。
ナイトワーカーとして、夜の街の酸いも甘いも知り尽くした二人に、20代の思い出と、今の20代女子が将来「オンナの価値」を上げるためのアドバイスを、過激に話し合ってもらいました。
「300万円何となく使うとヒリヒリする」(鈴木)
鈴木涼美(以下、鈴木):本、とても面白く読みました。東南アジア5か国の海外キャバクラ事情やその土地ごとの夜遊びが記録されていて、私自身知らないことがたくさんありました。それにしても、すごくフットワークが軽いですね。
カワノアユミ(以下、カワノ):とにかく退屈だったので海外まで出て遊びまくってたんです。20代の早いうちにあらゆる夜遊びし尽くしたから日本には飽きちゃって、海外キャバクラを転々としてお金稼ぎながら、ゴーゴーボーイやディスコで遊びまくってました。
鈴木:若いうちって圧倒的に退屈ですよね。私自身も、10代後半から20代前半くらいまでの間はとにかく毎日暇だな、と思っていました。常に「何か楽しいことないかな」という気持ちがあり、いろいろなことをしました。AVも出たし、キャバ嬢もやって、クラブ通いから私もヒマでしょうがなくてホスト通いまでしてました。
例えばホストクラブで一晩で100万円近いお金を使うことって、実は誰にでもできる、何の面白さも工夫もないつまらないことではあるけど、その瞬間は300万円何となく使うとヒリヒリするんですよね(笑)。
「夜遊びし続けてたら夢が叶った」(カワノ)
鈴木:生活費が減る絶望、彼がどこまで本当のことを言っているのかというスリル、人に褒められないことをしている背徳感、あとで後悔するんじゃないかなという不安、とかね。
その安易なスリルを楽しんだふりをして、何とか死にそうなほどの退屈をしのいでいたんだと思います。お金がなくなるのは結構なストレスと不安を感じるけど、一方でほかでは得られないスリルがあって楽しんです。
カワノ:分かります。そういえば今の若いコって退屈って感じてなさそうですよね。
鈴木:最近の女の子からは、退屈よりも将来への不安が大きいという雰囲気を感じます。だからお金や時間や労力で退屈を埋めるより、それらを使って少しでも安心したいって気持ちが強いのかな。若いうちは、お金は貯めずに使ったほうがいいですよ。
カワノ:私も将来への不安は不思議とずっとないです。
鈴木:どんなに貯金しようが、健康に気を使おうが、将来的にマイナスになるような遊びを控えようが、貯めても将来はどうなるかなんて究極的には誰にもわからない。だったら、せっかく持っている若い肉体やそれを駆使して稼げるお金で、せっかく稼いだお金でしてみたいことはどんどんやったらいい。いろんな経験したほうがいい。
将来のことは将来になってからでも考えられますが、今のことは今しか考えられないんですよ。将来を優先して今を犠牲にするってちょっと寂しい気がしますですよね。
カワノ:私も夜遊びしまくってその感想をブログにあげてたら、ずっと読んでた憧れの夜遊び雑誌の編集長が声かけてくれて、そこからライターのキャリアがスタートしました。もちろんこれはレアなケースだと思いますけど。