新型コロナで大打撃の日本航空。航空業界にチャンスはあるのか?
現場の声:残業が少なく、平穏な環境
さて、働く側としてはどうでしょうか。航空業界の場合であっても、新卒採用に限らず、中途採用の門戸も開かれています(ただし、客室乗務員やパイロットなどのいわゆる「花形」の職業に入れるわけではないことに注意してください)。
実際に働いた時の所感を把握するために、口コミサイトを確認していきましょう。各種口コミサイトは転職支援事業をビジネスにしており、各企業がクライアントにもなっている関係上、著しい悪評は公開されないようになっています。その制約を踏まえて、現場の声を確認していきます。
良い点:
・残業が少ない
・性格がいい社員が多い
・研修が手厚い
気になる点:
・平均年収500万円。大手としてはそこまで高いわけではない。(ただしこれは地上職の口コミ。
2019年有価証券報告書では全職種の平均年収827万円=平均年齢39.9歳)
・年功序列の傾向がみられる
・紙ベースの手続きが多い
パイロット以外の職種に差はない
働くうえで同僚の雰囲気の良さを挙げる意見が多くありました。残業量も抑制されており、働きやすい環境であると言えそうです。
しかし、その裏返しか、昔ながらの日本企業的な年功序列や、紙ベースの手続きが残っている傾向がみられました。効率化しきれていないせいか、年収も「決して悪いわけではないが、たくさんもらえるわけではない」レベルであると言えそうです。
口コミでは、管理職になると年収が600万円台に上がる傾向があるものの、日本におけるパイロット職の年収が平均2048万円であることを踏まえると、それ以外の職種は年収にあまり大きな差がありませんでした。
日本航空の「ホワイト/ブラック度」判定
日本航空:★★★☆☆
ルーツが国営企業ということもあり、経営再建も手厚く行われて復活しました。その背景もあるのか、現場としては働きやすい環境であるという意見が多くみられます。
しかし、以前から業績に懸念事項がある状態であるのは事実で、そのうえで、新型コロナウイルス肺炎の感染拡大防止のため、もともと伸び悩み傾向にあった国際旅客便の大幅減便を強いられる状況に陥っています。現状の働きやすい環境を維持するためにも、直近の踏ん張りが求められます。そのため、★3つとしています。