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スターバックス元CEOが語る仕事論「お茶くみも面白い仕事になる」

ビジネス

まずは「3つの輪」を意識してみる

――個人にとってもミッションが大切だ理解しましたが、どうすれば自分にとってのミッションが見つかりますか。

岩田:著書でも紹介しましたが、“3つの輪”を意識してみてください。1つ目の輪は「好きなこと」、2つ目の輪は「得意なこと」、そして3つ目の輪が「何か人のためになること」です。この3つの輪が重なる部分こそが、あなた自身のミッションです。

 そうは言ってもそもそも「好きなことさえ分からない」という人もいるかもしれません。そんなときは、とりあえず目の前の仕事を一所懸命頑張りましょう。一所懸命やれば、必ずその仕事が好きになり、好きになったら得意になります。

 そして、得意になると周囲に感謝され、誰か、気づいてくる人が現れる。そして昇進や栄転のチャンスを与えられます。場合によっては、外からヘッドハンティングのお誘いがあるかもしれません。つまり3つの輪が回り始めます。

お茶くみを面白い仕事にする方法

お茶

岩田:例えば、お茶くみひとつでも、一所懸命やると必ず面白くなる。課長は熱いお茶が好きだけど、部長はぬるいのが好みだとか、こうした工夫をすると仕事はどんどん楽しくなるし、周囲からも認められるようになる。お茶くみだけ任せておくのはもったいないと言われ、もっと高度な仕事を任せられるようになるのです。

 単なる経験ではなく、履歴書に書けるような実績を積む。実績がつくれば、必ずチャンスがきます。またそこで頑張れば、次のチャンスがまたやってきます。私自身、その繰り返しでした。50歳を超えて初めて「リーダーを育てる」という自分のミッションを自覚したのです。

 何歳になっても遅すぎることはありません。ましてや、若い頃の勉強は必ず、後で生きてきます。人生一所懸命に頑張っている限り、無駄なことはありません。まずは目の前のことに全力投球し、自分自身のミッションを構築し、自分が信じる道を迷わず突き進んでください。

<取材・文/島影真奈美 撮影/詠祐真>

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