フォーエバー21もか…日本撤退した有名企業の事情、5連発
3)カルフール
スーパーマーケットと百貨店の要素を併せ持ったハイパーマーケットの概念を提唱したフランスのスーパー「カルフール」は、2000年に日本法人であるカルフール・ジャパン株式会社を設立し、幕張に日本1号店を出店。
ローラスケートを履いた店員が店内を移動したり、フランス直輸入の商品が購入できるなど、国内のスーパーにはない特徴を活かし、西日本を中心に展開。しかし徐々に業績が悪化し、2005年3月10日を持ってカルフール・ジャパンはイオンに売却され、「イオンマルシェ」に商号を変更。
以降も「カルフール」として引き続き展開していましたが、2010年3月9日に契約期間が満了となり、日本でのカルフールブランドは消滅しました。ちなみに同時期には、中国やマレーシア、コロンビアにも展開していましたが、すべて撤退が決まっています。
4)ボーダフォン
世界最大の多国籍携帯電話事業会社である「ボーダフォン」。アメリカ、ドイツ、フランスなど世界各地で携帯電話会社を買収し、そのブランドをボーダフォンへ変更することで拡大を続け、日本には2001年に進出。
「J-Phone」を運営していた日本テレコムの株式公開買付を行い、2003年に社名をボーダフォンに変更。
一時はauを追い抜き、累計加入者数で2位となったこともありましたが、料金改定の改悪、日本とヨーロッパで統一した仕様の端末を出す戦略をとったため、「着うた」などのサービスをリリースした他キャリアにシェアを奪われてしまいます。
施策の多くが裏目に出てしまい、なおかつ事業はソフトバンクから買収の申し入れもあったことで、2006年に日本事業から手を引くことになりました。
5)ワーナー・マイカル
1991年にワーナー・ブラザーズと、大阪を中心に展開していた総合スーパー、マイカルの共同出資で設立された「ワーナー・マイカル」。
神奈川県海老名市に国内初のシネコン「ワーナー・マイカル・シネマズ(WMC)」を開業し、全国に60劇場で約500スクリーンを展開。日本におけるシネコン運営の先駆者的な存在になります。
2001年にマイカルが経営破綻し、イオン傘下に入ったことから、イオングループとワーナー・ブラザーズの共同事業になりました。そして2012年ワーナー・ブラザーズは所有するワーナー・マイカル・シネマズの株式を全てイオングループに売却すると発表。屋号は「イオンシネマ」に統合され、「ワーナー・マイカル」は消滅しました。
<TEXT/蒲須坂正男>