大学生バイトのありえない実態。映画館では犯罪行為も…
みなさんは学生時代、なにかアルバイトはしていましたか? 高校生や大学生、成人したフリーター、雇用元の社員など、バイトの職場にはいろいろな人が集まります。
そんな中で、それなりに力を抜きつつ、肝心な場面ではハメを外さずに要領よく仕事をこなす人もいれば、とにかくラクをしようとして不正な行為に手を出してしまう人もいるようです。
今回話を聞いたのは、都心にある某シネコンでマネージャーとして働く柿本大希さん(仮名・32歳)。全国に展開しているため、数年に一度転勤があり、現在の職場を含め、4つの劇場で勤務したことがあるそうです。
なかでも新卒で配属された劇場が良くも悪くも一番印象深い環境だったそうで……。
映画館で待ち受けていたトンデモバイトとは
「映画館のアルバイトって基本的に時給が安いんです。僕が配属された劇場も、県内の最低賃金ギリギリクラス。それでも意外と応募はそこそこ来るんです。映画に関わる仕事がしたい人が多いんだなと素直に嬉しく思いました」
柿本さんが担当することになったのは“フロア”という部署。主な仕事はチケットのもぎり(入場口でチケットの半券をもぎ取る係)や場内の清掃、ゴミの分別などです。
「日中のシフトは映画好きの主婦が多く、社会人なりたての僕をまるで息子のように可愛がってくれました。記憶に残るようなトラブルを起こすのは決まって夕方から深夜にかけての遅番メンバーでしたね……」
有名大学のサテライトキャンパスを筆頭に近隣に大学が数校あり、遅番の大半は大学生でした。
「場所柄、週末は家族連れで賑わいますが、平日の夜ともなると、かなり閑散としています。そのため、僕ら社員も1人だけだったりするんで、どうしても監視の目が行き届かなくなるんです。求人に応募が絶えないもうひとつの理由が、好き勝手やっても構わない、ラクなバイト先という情報が近隣の大学の間で共有されていたと知るのは入社してすぐのことでした……」
監視カメラから見えない角度でゲーム遊び
「チラシやスタンディ(ダンボールの宣材)が置いてある倉庫に用があり、何の気なしに入ってみると、なんと男性スタッフがダンボール敷いて寝ていたんです。注意しなきゃとは思いつつも、驚きのあまり声が出ませんでした。我ながら情けない……」
人目につかない場所での仮眠、他のバイトではありえないシチュエーションです。他にも驚きのエピソードが。
「もぎりに立っていたスタッフの様子が何かおかしかったんです。お客さんがいなくなるたびに下を向いてコソコソと。不意をついて背後から覗いてみると、監視カメラからギリギリ見えない角度でNintendo DSでゲームをやっていたんです。あとは単語帳をめくり、試験勉強をしていることもありました。焦る気持ちはわかるけど……」
バイト中に勉強するだけあって根は真面目? だったのか、「さすがに一度注意したらもうやらなくなった」というその大学生。しかし他には不人気作品や終了間際でお客さんがゼロの回を狙って、堂々と着席して映画を見るという学生もいたそうです。