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体脂肪率9%以下!世界選手権4連覇を果たした“最強の女性柔術家”の素顔

暮らし

 日本の柔道が形を変えブラジルに伝播し、現在では海外で盛んな格闘技として人気がある「ブラジリアン柔術」。

 国内では柔道や空手などに比べれば、メジャーとは言えない競技ですが、そんな柔術の虜になり世界と戦い続ける女性がいます。それが柔術家の湯浅麗歌子さん(28)です。

 そんな彼女の活躍ぶりが、6月9日放送の『情熱大陸』(MBS)で紹介されました。

ダイエットから世界王者へ

 湯浅さんは1991年埼玉生まれ。高校時代、ダイエット目的で通ったジムでブラジリアン柔術に出合い、その魅力に取り憑かれました。師匠につき、技はもちろん精神のあり方も学んだ湯浅さんは、1995年に世界選手権で優勝。そこから日本人初となる4連覇という偉業を成し遂げ、今や世界でも注目される存在となっています。

 ブラジリアン柔術は「寝技の格闘技」とも呼ばれ、柔道のように投げや押さえ込みで一本勝ちするのではなく、寝技が中心の競技。護身術から発展したため、力より技で相手を組み伏せるのが特徴です。湯浅さんは身長155センチと小柄ながら、バラエティに富んだ技の数々や攻撃の素早さで自分より体の大きい男性にも負けない強さを持っています。

 その強さは湯浅さんのストイックさ、そして自ら認める完璧主義者という性格によって作り上げられたもの。毎日10キロものランニングでジムに向かい、連日早朝から6時間にもおよぶ練習で心と身体を追い込みます。

 体脂肪率9%以下、6つに割れた腹筋という鍛え上げられた体を維持するために甘い物を我慢したり食事をコントロールしたりと、生活の中でもさまざまな努力を積み重ねてきました。「後で後悔するならやって後悔する方がいい」という彼女は、どんな場面においても柔術中心の生活を送っています。

孤独な戦い、そして5連覇の壁

ブラジリアン柔術

※画像はイメージです © John Lamonica CC BY 3.0

 ひたすらブラジリアン柔術に向き合う湯浅さんですが、彼女をサポートするスタッフは一人もいません。5連覇に挑む世界選手権の前であっても、長すぎる道着の袖は自分で詰め、スポンサーのステッカーも自分で縫い付けます。スポンサーと言っても金銭的な支援はなく、生活を支えるのは週4日おこなっているブラジリアン柔術のインストラクターとしての仕事なのです。

 海外で行われる試合の渡航費も宿泊費もすべて自腹で、さらに大会では優勝しても賞金はなく、手に入れられるのはメダルのみです。そんな境遇でも、彼女は自分で決めた練習メニューをこなし自分で決めた食事メニューで試合前の体を追い込んでいきます。

 そんななかで迎えた5連覇への世界選手権。米国カリフォルニア州にて5月30日から6月2日にかけて行われたこの試合で、彼女は難なく決勝へ駒を進めることができました。決勝戦の相手はこれまで湯浅さんが1勝2敗と負け越しているブラジルのマイサ・バストス選手。

 優勝を重ねるたびに研究し尽くされ、常に追われる立場にある彼女はそれに屈しない精神で果敢にライバルに挑みます。しかし、あと一歩のところで及ばず、惜しくも優勝を逃し5連覇の夢を果たすことはできませんでした。

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