MTGはどんな会社？

　悪いニュースが続くMTGだが、会社自体や社長への注目度は高い。そのことは、創業者であり社長の、松下氏の異色の経歴から来ているのではないだろうか。

　松下氏は長崎県五島列島に生まれ、小学5年生のときに自分が養子であることを知ったという。「親の負担をできるだけ減らそうと子どもながらに考えるようになり、パンダウサギやニワトリを育てて販売するといった商売を始めた」と、『経済界』のウェブサイトのインタビューで答えている（2019年5月14日）。

　中学時代には起業を決意し、高校卒業後に自動車部品メーカー・株式会社デンソーに就職して5年後、1996年のときに23歳で独立を果たした。起業当初は中古車販売事業などを手がけていたが、1998年から自社製品の販売を開始。2005年に社名を現在のMTGに変更し、化粧品などの自社製品の販売に舵を切った。その結果として、上場に至る成功を勝ち取っている。

　現在の従業員数は1516人（2019年3月31日現在、アルバイト・パートスタッフ含む）。Yahoo!ファイナンスによると平均年齢は35歳で、平均年収は493万円だ。国税庁が発表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の30代後半の平均年収は約442万円なので、いたって平均的な年収だと言えるだろう。

MTG社員の経営者に対する声

※MTG採用情報ページより

　年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報を見てみると、従業員からの松下社長への厚い信頼を読み取ることができる。

「厳しさとやさしさを兼ね備えた方です。もともと貧しい家庭ながら自分を引き取り育ててくれた両親を幸せにしたい、という『感謝と親孝行』の思いから起業を志しているので、とにかく人を大切にする方です。

　大きなチャレンジをして、結果を出したときであっても天狗になることはなく、『今のMTGの成長はここにいる社員一人かけても実現できなかった』と社員をねぎらいます」（法人営業／20代後半女性／正社員／年収450万円／新卒入社／3～10年未満／投稿時に在職／2018年度に関する口コミ）

　社員との非常によい関係性が口コミからも伝わってくる。