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「じゃんけん」で最も勝率が高い“手”はどれ?必勝セオリーを専門家に聞く

コラム

本当に、じゃんけんって強くなれるの?

――じゃんけんって鍛えることができるんですか。運だと感じている人がほとんどだと思うのですが。

まつもと:運ではないんです。こちらは勝てるタネを持っているので。五分五分の確率のものを、こちらに寄せることができますね。鍛えるほど、どんどん強くなっていきます。「拳読」(けんどく)っていうんですけど、人はだいたい「ぽん」の前に手が開きはじめるんですね。だからそれを見極めて勝つ手を出すということをやります。この練習は、協会でもよくやっていて、鍛えればできるようになりますよ。

――プロ野球で打撃の神様といわれた川上哲治氏の「ボールが止まって見える」というレベルまでいけば「じゃんけんが止まって見える」になってくるんですね。ご自身は協会をはじめて、じゃんけんの勝率は上がってきてるんですか?

まつもと:もちろん。じゃんけんをする機会も増えますので鍛えられていきますね。得したことですか? 学生時代に、絶妙な関係の女性がいた時があって、「家に行っていい?」「いや、まだちょっと」というやりとりがあったときに、「じゃあ、運なので、じゃんけんで」って(笑)。

少人数じゃんけんでは、パーが強い

まつもとはるお

――では、ずばり、じゃんけんに勝つ方法を知りたいです。

まつもと:ではまず少人数編から。

――少人数の場合でも、気心の知れた相手とそうでない相手では、セオリーは違うんですか?

まつもと:端的な話ですが、初対面ですと、心を開いていないので「手を見られたくない」という方が結構いるんですね。チョキやパーは手の甲にシワができるので、それを見られたくないという深層心理が働いているようで、特に女性の場合はグーを出す人が多いです。なので、あまり仲良くない人にはパーを出すと勝てる確率は高いですね。

――確かに男でもパーを出すのは、動物でいうとお腹を見せるに近いような感覚もありますね。

まつもと:まさに「手の内を見せる」ってことですからね。

相手の性格による「勝ち手」の見極め方

――そうしたことから、関係の浅い相手にはパーで勝つということですね。では、気心の知れた相手の場合はどうでしょう? シチュエーション的に多いと感じるのは、3~5人くらいでのじゃんけんだと思うんですが。

まつもと:その場合は、その人の性格を見て、じゃんけんをしますね。「勝ち手を続ける」かどうかでそれぞれの人柄が出るんです。例えばチョキで勝った時に、もう一度チョキを出すというようなことですね。勝ち手を続ける人は、いつのじゃんけんでも勝ち手を続けるんですね。逆に、勝った手と違う手を出すっていう人は、いつのじゃんけんでも勝った手と違う手を出します。それを覚えておくというのは1つの方法ですね。

――つまり、何を出すかではなく、勝ち手を出し続けるタイプの人か、変えていくタイプの人かを認識しておくってことですね。

まつもと:じゃんけんは相手を、理解している人が勝つものです。だからじゃんけんには「強い手」というものはないんですよ。じゃんけん名言にも「自分がどうしてもじゃんけんに勝てない人と結婚しなさい」というものがあります。

――相手がこちらをよく理解してるからってことですね。

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