1億円の契約があわや消滅「オフィスカジュアル」が招いた新入社員の失敗談
「御社の方はスーツ着られないんですか?」
お客さんから届いたメッセージは「物件の収益性には満足しておりぜひ購入したいのだが、担当は若くて身なりが整っておらずなんだが頼りない。こちらとしても1億という高い買い物をするのだから、万全の状態で話を進めたい」。山根さんはこれを聞いて、どう思ったのでしょうか――。
「これを聞いたとき、お客さんと会って最初に『本日はお休みですか?』と聞かれたことを思い出しました。その時は自社がオフィスカジュアルを導入していることを説明して納得してもらったと思っていたのですが、今振り返ると入口の時点で自分は相手にされなくなっていたんじゃないかと思います」
結局、そのお客さんは先輩社員が引き継ぐこととなり、当月内に申し込みをもらい契約が完了したそうです。そして営業成績は実際に話をまとめ契約まで行った先輩社員のものとなり、山根さんはみすみす見込み客を逃してしまう結果になってしまいました。
オフィスカジュアルで失態をしてしまった理由
「頼りない印象を与えてしまったことについて、自身の営業スキルなど、ほかにも反省点はあるんですけど、ラフな格好で会ってしまったことは間違いなく大きな敗因だったと思います。それ以来、オフィスカジュアルが怖くなってしまって、お客さんと会うときはスーツを着ることにしています」
今回の山根さんのケースだと、1億円という高額な商材を扱う点、不動産=スーツという業界の印象からジーンズは不適切だったのでしょう。もちろん、そもそもスーツでなければ論外という方もいらっしゃいますし、逆にジーンズでもOKという方もいらっしゃると思います。
しかし、オフィスカジュアルは年を重ねたビジネスマンでも悩むもの。これから自分に合ったスタイルが見つけていければいいですね。
― 新入社員の身だしなみ、大丈夫? ―
<取材・文/けんぢる イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>