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起業家「ミスiD」栄藤仁美の仕事術――何気ない日常会話から何かを生み出していく

ビジネス

 アイドル発掘オーディション「ミスiD 2017」で安藤美冬賞を受賞したのは、バリバリのビジネスウーマンだった。京都の花街で、老舗お茶屋の跡取りとして生まれた栄藤仁美は、16歳で突如舞妓さんになる道を絶たれる。中卒のままレコード会社で働く傍らに起業をして、さまざまなビジネスに着手。

栄藤仁美

「ミスiD2017 安藤美冬賞」を受賞した、栄藤仁美

 17歳で3000万円の借金を背負うが数年で完済し、現在は飲食業を経営する傍ら、「東京ガールズコレクション」や、日本初のゲーム音楽プロオーケストラ「JAGMO」のプロデュースなどを手がけていた。

 前編では生い立ちからこれまでの変遷を聞いたが、後編では若くして成功できた秘訣や、ビジネススキルの高め方について、若手サラリーマン向けのアドバイスをもらった。

――一度は挫折をしたとはいえ、17歳での起業や、有名イベントのプロデュースまで、若くして大活躍されています。ご自分の強みはどこだと考えていますか?

栄藤仁美(以下、栄藤):正直、コミュニケーション能力の高さだけで、なんとかここまでやってこれたんじゃないかと思ってます。本当は、人見知りで根暗なんです(笑)。でも、やっぱり客商売の家で生まれ育ったことは大きいと思いますね。周りの舞妓さんや、お客さんたちの振る舞いから、子どものころからずっと見てきたので。

――政財界の大物や人気の役者など、幼少期からさまざまなエグゼクティブと接することで、自然と身についたことでもあるんでしょうか?

栄藤:それもありますね。世の中のトップの方々を見ていて、すごいと思ったのは“金持ちケンカせず”っていう姿勢が共通しているんです。自分のプライドよりも大切なものがあるということを理解しているというか。

 損得勘定だけを考えるのではなく、「誰かを助けることで、いまは損したとしても、どこかで絶対に自分に戻ってくる」ということを、みなさん理解されているんだなと感じて。

 私が見てきたお客様たちは、極論、何十億とかヘタしたら株価が変わるような契約のお話をしていたと思うんですけど。仮に一時的に損をするとしても、お世話になった人が困っているときに助けることで、10年後にまた息を吹き返したときにちゃんと戻ってくればいい。みなさん、そういう振る舞いを自然にされていたんです。

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