米国で大行列のラーメン店の独特な経営論「営業は2時間」「200日ごとにメニュー一新」
「TSURUMEN」だけじゃない、世界に挑む日本のラーメン
大西さんの店舗以外にも、ボストンにはラーメンの人気店があります。その中のひとつが超大盛りで有名な二郎系ラーメンを提供する「Yume wo Katare(夢を語れ)」です。
ラーメンを食べ終わると、店員さんがやってきて、完食の度合いによって、「グッジョブ!」や「パーフェクト!」などと褒めてくれるサービスが話題です。ボストンという土地柄もあって、ハーバード大学やMITの学生で賑わっているそうです。
また、2008年にアメリカのニューヨークに進出して以来、シンガポール、中国、フランスなど13カ国に店舗を出店しているのが「一風堂」です。今年に入ってからも、海外への出店攻勢をかけており、この2か月で、マレーシアのクアラルンプール、台湾、中国など7店舗を出店しています。
“味集中カウンター”など独自のシステムが有名なとんこつラーメン店「一蘭」は、100%とんこつ不使用ラーメンの専門店を2月28日に西新宿にオープンさせます。
これは宗教上の理由で豚を食べることができない外国人観光客をターゲットした「ハラルフード」と呼ばれるもので、鶏などでスープを取り、チャーシューに牛バラ肉を使っていることが特徴です。
新しい仕事論に興味を抱く人が続出
「経営方針が面白くて、すぐにファンになった」
「大西さんめっちゃかっこ良かったな~。ボストンに行く機会があったら食べてみたい」
ネットでは、大西さんのラーメンを食べてみたいという感想も少なくありませんでしたが、それ以上に、店舗の経営方針に興味を抱いている人が多いのが印象的でした。
大西さんは、「関西・大阪21世紀協会」というウェブサイトに「ドンブリ1杯の小宇宙を」というコラムを連載していました。そこで「僕は『美味しいものは人を幸せにする』という思いでラーメン屋を営んでいます。この考えは普遍の真理だと思います。だから僕は、30年後も職業としての飲食ビジネスはなくならないと思います」と力強く述べています。
TSURUMEN DAVISの営業が終わる5年後、大西さんは新たな土地で、新たな挑戦をしていることでしょう。
<TEXT/湯浅肇>