消費税10%になる前に「買ってはいけない」モノ。定期券とICカードは?
東京オリンピック前に自宅を買うべきエリア
続いて、すでに税制大綱の改正が決定した住宅関連。一定の要件を満たすマイホーム購入者には、所得税や住民税を控除できる住宅ローン減税が適用されます。増税後に家を買った人でも、住宅を取得してから6か月以内に入居し、その後も引き続き住み続けることで、入居した年から10年間に渡って、最大400万円の所得控除を受けることが可能です。
ただし、購入については、どの地域かによって明暗が分かれる可能性もあります。というのは2020年の東京オリンピックが終わると、住宅が余剰し、価格が下がると言われていますが、果たして都内の主要5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)の不動産価格が下がるのかというと、私はそうは思いません。
これはプロの不動産業者に聞いても、「上がるとも下がるともわからない」と言っていました。
東京都の一極集中によって、不人気の地域はより下落し、人気の高い地域はより高騰することも考えられます。住宅の購入は人生を左右する大きな買い物ですから、消費増税だけに左右されてはいけません。
この住宅ローン控除ですが、該当するのは2020年12月31日までに購入した人で、同年末までに住み始めた物件です。なので、東京オリンピックが閉幕した数か月後が、個人的には狙い目な気がします。
テレビ、冷蔵庫は「駆け込み購入」を勧めない
結局、消費税が上がった分は、企業にとっても負担になるので、値下げであるとか、できるだけ消費が冷え込まないように、多少安くしても売りたいと考えるのが普通です。だとすれば、冒頭で述べた「安易に値下げされない商品」が“堅い”のではないでしょうか。
ちなみに、テレビや冷蔵庫など、白物家電系は価格が下がりやすいそうなので、駆け込みはおすすめしません。
意外に思われるかもしれませんが、ディズニーランドの前売りチケットや映画の前売り券なども増税前に購入しておいたほうが無難でしょう。なぜなら、この手の商品は増税時の際「便乗値上げ」もありうるので要注意です。
増税の影響はボディーブローのようにジワジワと効いてきます。ダメージを最小限にすべく、増税前と増税後はクレバーな金銭感覚が求められるので、くれぐれも焦りは禁物といえるでしょう。
<TEXT/水村耕史>