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焦る女子大生を狙う“内定チラつかせ”オジサン。「業界のこと教えるよ」と誘う最悪手口

学び

無理矢理タクシーに乗り込まれ、触られる

夜道

 慣れないお酒を飲まされ、1時間ほど会話したころ真面目な質問をすると、Yさんは「そんな堅苦しい話もういいじゃん」と何度も遮ってきたそう。次第に会話が卑猥な雰囲気に変わってきます。

「そのあと、トイレ行こうかなと立ったYさんが突然、かわいいなぁって言いながら抱きついてきたんです」

 Aさんはそのとき、気持ち悪いと思い、Yさんがトイレから戻るタイミングで母親から連絡があったと嘘をついて帰ろうとします。すると、Yさんは「帰るの? タクシー代だすよ」と言い出しました。

 代金を出してくれるならとAさんはタクシー乗り場までYさんと行ったのですが、この判断が間違いでした。

「私がタクシーに乗り込んだとき押し入るようにYさんが乗ってきたんですよ」

 あっ! と思った時はもうすでに遅く、タクシーのドアは閉められてしまいました。

「その後、車内で体を寄せられて、ヒザをスリスリ触られながら、いいでしょ? って言われて、それでもうこれはヤバイと思って、『あ、吐きそう? 吐く? トイレ!』って言って、むりやりタクシーから降りて走って逃げました」

Yさんを紹介した先輩も就活目当てだった

 後日、Yさんを紹介した先輩に事の顛末を話したAさん。すると先輩は「僕も実はYさんに大学生の女の子を紹介してくれたら、入社の時に口利きしてくれるって言われたんだ」と衝撃の告白。先輩も就活目当てでYさんに女子学生を紹介していたのです。

 しかし、女子大生を紹介後に口利きの件に触れると、Yさんは「そんなこと言ったっけか? 俺、営業部長だし人事権ないよ」と言われて、無下に断られてしまったそうです。

 この経験を振り返って、Aさんは「人に頼るのは良くない」と思い、就職サイトや学校の就職支援を利用して、地道に就活したそうです。

「友人の中にも私のように行きたい企業の社会人と繋がっていた人もいたのですが、結局はみんな地道に努力して内定をもらっていましたね」

 結局、内定をもらった企業は当初、目指していたところとは違いましたが、Yさんとのことがあってから、憧れていた企業に対するイメージが変わってしまったそう。

「最初から、焦らずに普通のルートで就職すればあんな思いしなくて済んだだろうなと思います。まぁでも、いろんな意味で社会勉強にはなりました」

 就活において社会人との関わりも大切かもしれませんが、コネクションをチラつかせ、女子大生と仲良くなろうという悪い大人も世の中にはいます。就活は焦らずに専用サイトや学校のキャリアセンターなどを利用して地道に面接していくのが一番良い手かもしれません。

<TEXT/おーえる(女の子開放運動家、コラムニスト)>

ミスiDファイナリスト、女の子開放運動家、コラムニスト

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