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縦型ブラインドをスクリーンに。プロジェクターを狭い賃貸部屋で楽しみたい人の救世主になるか【ネットでうわさの真相を究明】

一人暮らしの部屋で〈Netflix〉や〈YouTube〉をプロジェクターに映しながら楽しみたいと感じる人も一定数居るはずだ。実際、一人暮らしの世帯でプロジェクターが注目されているという意識調査もある。

ただ、プロジェクターを使うには、プロジェクターとスクリーンを設置する場所が必要だ。賃貸物件の場合、スペースが限られている上に、スクリーンのタイプによっては取り付け工事が必要なケースもある。

当然、機器の購入にもお金が掛かる。そこで、カーテン代わりに縦型ブラインドを部屋の窓に設置し、そのブラインドに向けて映像を投影する方法がSNS(会員制交流サイト)で一時話題になったという。

この方法は、実際に使えるのか。今回は、タチカワブラインド(東京都港区)の銀座のショールームを訪れ、検証した(以下、担当ライターの寄稿)。

部屋の壁などに余裕がない場合の裏技

部屋の窓に掛かっているブラインドがなんと、プロジェクターのスクリーンになってしまうとか。部屋の壁などに余裕がない場合の裏技(!?)みたいです。窓をスクリーンに見立てて映画や動画を楽しめちゃうそう。

もちろん、メーカーが推奨しているわけではありません。住環境によっては見えにくい場合もあるはずなのでご注意を。

その点を踏まえた上で、SNS(会員制交流サイト)で話題になった「裏技」、窓を彩るブラインドをスクリーンとして使う方法を、ブラインド・スクリーン類の業界トップ・タチカワブラインド(東京都港区)を訪ねて検証してみました。

タチカワブラインド銀座ショールーム
東京都中央区銀座8-8-15 青柳ビルB1F・1F・2F

銀座のショールームには商品がズラリ。ブラインドのスクリーン利用をスタッフに率直に尋ねてみると、その手の話はもちろん認識済みだとの回答でした。

部屋をイメージしたルームスペースなどもあり、複数の商品が見学用にフロア展示されているので早速、ブラインドをスクリーンに見立てる裏技を特別に試させてもらいました(普通は、商品を見るだけの場所です)。百聞は一見にしかず。写真を見てください。

こちらが、縦型ブラインドに実際に映像を投影した様子です。

住環境や窓からの光量によって結果はかなり異なってくるとは思いますが、十分に映像を楽しめるクオリティです。字幕や番組のテロップなどの文字もしっかりと読み取れます。

掲載写真くらいまで近付くとさすがに、羽根と呼ばれる縦型のスラット(ブラインドに使われる薄い板の部品)の縦のラインは気になりますが、心配したほどではありません。

スクリーンとして裏技的に利用するなら縦型ブラインド

ホワイト系無地の縦型ブラインド(左)グレー系の生地感がある縦型ブラインド(右)

同じ縦型ブラインドでも、生地のような素材感のあるグレー系のスラット(羽根)を使った商品でも試してみました。

暗色のスラット(羽根)なので背景が暗くなり、より鮮明に映像は見えるようになりましたが、映像の色味に、生地の素材感から来る色味が混ざるためやや気になります。

好みにもよるもののスクリーンとしての兼用を考えると、白色無地のスラット(羽根)がやはり最適ではないでしょうか。

当然ながら、ドレープ(ひだ)のあるカーテンではプロジェクター用のスクリーンになりません。では、一般的な横型のブラインドならどうなのでしょうか。

実験では、細いスラット(羽根)が多く並ぶタイプの横型ブラインドがスクリーン代わりに使われたため、フェアな比較にはなっていないかもしれません。

しかし、横型ブラインドには構造上、横向きに重ねたスラット(羽根)を上げ下げするための昇降コードやラダーコードが縦向きに入ります。

縦向きに3本、ヘッドボックス(上部)からラダーコードが走っている

その縦のラインの存在感が、プロジェクターとして考えた時、障害物となって映像の見栄えを悪くしている気がします。

その点、縦型ブライドには、ラダーコードは入りません。ヘッドボックスからつったスラット(羽根)を左右に動かして開閉するからです。

縦型ブラインドは設置すると(室内に縦線が生まれ)天井が高く見え、空間が開放的に見えると言います。スタイリッシュに広く居室を見せられるため、富裕層が好んで選ぶ状況もあるらしいです。

あくまでも「裏技」としてですが、プロジェクターを考える一人暮らしのビジネスパーソンは、縦型ブラインドをスクリーン代わりに検討してみても確かにいいかもしれませんね。

[取材・文/わたなべ たい 撮影/©︎tawawa]

[参考]
テレビ、プロジェクターの価値変化 – RoomClip

ライター/エディター/ディレクター。10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌などで豊富な取材を経験。読者やユーザーの案内役・ナビゲーター的な距離感を大切に、ライフスタイルにヒントやうるおいを与える情報を発信。

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