年に売上5億円超「歌舞伎町No.1ホスト」に聞いた、究極の“人間関係術”
歌舞伎町では“億”を稼ぐホストが増えてきた。指名本数で稼ぐ薄利多売か、太客による厚利少売か、そのスタイルはさまざまだ。ただ、5億2000万を売り上げる男は、その緻密さも変わっている──。
日本一のホスト・降矢まさき(@masaking927)が師と仰ぐ絶対王者の渋谷奈槻は「ホストとお客様として相思相愛になれるのは30人ほど」と、あるインタビューで発言している。今回は人間関係の構築法を含めて、降矢まさきに話を聞いた(以下、本人談)。
5人の少数精鋭が「億の売り上げ」を生む
億を超える人間関係の構築法についてお話しする前に、ホストの給料システムを説明させてください。まず、月の売り上げが規定に達していない場合、雀の涙ほどの日当です。もうひとつは、完全歩合制。こちらは売り上げ、指名本数などにより変動します。
「客数」「客単価」「来店頻度」、これらすべてを並行して伸ばせるのが理想ですが、俺の使える時間は一日24時間と有限です。客数ばかりに目が向いてしまうと、薄利多売になるリスクが高い。
常時30人前後のお客様と連絡を取る奈槻さんと比べて俺は、お客様一人当たりに費やす労力や時間が濃密なので、やり取りできるのは5人が限界(笑)。そこで定期的に来店し、なおかつ客単価の高いお客様を5人。そういうチーム編成を目指しました。
チームビルディングは与える者で組むのが鉄則
少数精鋭部隊の編成には、顧客ロイヤリティ(お客様の信頼・愛着)が高まるような関係性を構築しなければなりません。
俺にとってのホストクラブは、そのときにホスト・降矢まさきが提供できる極上のブランド体験をお客様に“与える”場所です。対するお客様は、その対価として、俺にお金を“与え”ます。関係を残すのは、奪う人ではなく、お互いが与える立場だと理解し、また贈与の連続性を体現できるお客様のみです。
そこでまず、一見さんには固執しないことが重要です。俺の場合、お客様が退店したら、お礼を伝えつつ、「次はいつ来れる?」とメッセージを送ります。「今はわからない」と返事が来たら「わかるようにして」と即答。最初のお客様とのやり取りは、これだけです。