増加するセックスレス家庭。“妻だけ勃たない”30代記者の悩みを専門家に直撃
妻を愛する気持ちはあるのに、身体が反応せずに“行為”へ至れず、その結果セックスレスに……という現象は「妻だけED」と呼ばれているそうです。
30代前半の筆者が既婚の友人と飲む際、ついつい話し込んでしまう話題も、実は「セックスレス」。そして、掘り下げてみると「セックスをしたい気持ちはある」「だけど、妻には身体が反応してくれない」という男性の多いこと多いこと……。今回は夫婦のセックスレス、そして、筆者が持つ妻だけEDの疑問について、日本性機能学会・日本メディカルライター協会会員の伊藤公壹氏に聞いてみました。
セックスレスは年々増加傾向に
まず前提として、日本で夫婦のセックスレスは、ハッキリと増加傾向にあるといいます。
「一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターが実施した『【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2020』によると、婚姻関係にあるカップル(16~49歳の男女)のセックスレス率は51.9%でした。第1回調査の2004年が31.9%ですから、16年間で20.0ポイント増えています。06年34.6%、08年36.6%、10年40.8%、12年41.3%、14年44.6%、16年47.2%と年を追うごとに右肩上がりで推移している格好です。
セックスレスを招く理由は、男性の草食化に代表される『あえてしなくてもいい』という性意識の変化、夫婦間の性生活を重視しない女性の増加、閉経以降の性欲減少に伴う関心の薄れなどさまざまなケースがありますね」
「妻だけED」はEDの患者数とリンクする
そうすると、妻だけEDの男性はどこに分類されるのでしょうか。夫側に「セックスをしたい」気持ちはあるので、単に「草食系」と括るのは違うような気がするのですが……。
「妻だけEDを時系列で調査、分析したデータはありません。したがって妻だけEDだけが特別に増えているとは考えにくいと思います。ただし、ED全体の中の一定割合を占めてはいるので、ED患者の総数が増えれば、それに伴って増えると考えたほうが自然でしょう。
EDは主に精神的な原因で起こる『心因性』と、体に生じたなんらかの理由で起こる『器質性』、両者の『混合型』などに分けられます。それらの割合は年代によって異なります。妻だけEDはほかの女性とならできることが多いので、分類上『器質性』にはあたりません」