令和のオイルショック「原油価格」高騰のワケとは?元ゴールドマンFMが考察
景気回復と株高は続くのか? かつてゴールドマン・サックスで2000億円運用していたファンドマネジャー(FM)、アミン・アズムデ氏が2022年の世界経済を大予測。米国の動向から日本株、原油相場まで占ってもらった。今回は原油高編。
80ドル突破で発生したプチオイルショック
原油価格の高騰が、2022年の金融市場でも大きなテーマとなることは間違いない。WTI原油先物価格はここ2年近く上げっぱなし。2020年前半の20ドル台から、2021年10月には80ドルの大台を突破したが、なおも値上がり余地があると言われているのだ。
「原油価格の上昇を引き起こしているのは供給不足。コロナショックを受けた需要低迷から産油国は減産にシフトするなかで、世界的な景気回復が進んだ結果、供給不足に陥り、価格が上昇してきたわけです。当然のことながら、供給不足が解消されれば原油価格は落ち着くはずですが、そのハードルが高い」
原油価格が落ち着く兆しは見えていない
「11月のOPEC(石油輸出国機構)プラスの会合でも、参加国が増産に苦戦して目標を達成できていないことを理由に追加増産が見送られました。
OPECの対応の遅さから、バイデン政権が戦略石油備蓄を放出しての供給不足解消を進めていますが、いくら実施しても想定より強い需要の回復などから、数か月以内に吸収されそうです。代替需要として液化天然ガスをはじめコモディティが軒並み高止まりしているのを見ても、原油価格が落ち着く兆しは見えていない」
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