試着室で壊した“大事な部分”。身だしなみ指導のつもりが大恥をかくまで
社会人として身だしなみを整えておくことはとても大切ですが、他人の服装にまで口出ししようとすると、痛い目に遭うことがあるかもしれません。
身だしなみに人一倍気を遣うあまり、他人の恰好にも口出しをして大恥をかくハメになった村上卓也さん(仮名・28歳)に、話を聞きました。
身だしなみのことを甥っ子に説教
「その頃は、他人のできていない部分がどうしても気になっていました。職場や同い年の友人にまでダメ出しばかりしていて、いま考えると恥ずかしいです。でも、それが相手のためになると本気で思っていましたし、僕自身が優越感に浸っていたことも事実です。本当に、今考えるとバカなことをしたと思います」
そんな卓也さんが正月に帰省。親戚の家に挨拶へ行ったとき、甥っ子にあたるT(24歳)の親に「夕食時には他の親戚も来るから、オードブルや惣菜を買って来て」と頼まれ、2人でショッピングセンターにて買い物をすることになりました。
「買い物をしていると、Tが来月就職することになったと言いはじめたんです。もともとTは、高校を卒業してから実家のスネをかじって生活し、シワシワのシャツとチノパンで過ごすなどだらしない生活を送っていた男だったので、つい説教にも熱が入ってしまいました。髪が長すぎるとか髭は剃るべきだとか、服にはアイロンをかけろとか……」
スーツ売り場でカッコいい自分を
身だしなみの大切さをこんこんと説いたものの、それだけでは気持ちがおさまりません。まるで上の空といった様子のTに、ショッピングセンターのスーツ売り場にあるスーツを試着して、カッコイイ自分を見せようと思い立ちます。すぐにTをスーツ売り場に連れて行きました。
「でも、ショッピングセンターで販売されているものは、ぽっちゃりした僕には合うサイズがなかったんです。でも、『ちょっと来い。男の身だしなみっていうものを見せてやるから』なんて言ってスーツ売り場までTを引っ張って来ていたので、いまさら試着しないという手段はありませんでした」