不安が充満する時代に「絶対にやってはいけない」行為。どんな覚悟が必要か
僕たちは今、先の見えない時代に向かっています。新型コロナが蔓延する現状も大きく影響しているでしょう。死んじゃうかもしれない不安、仕事や収入の不安。そして、親しい友達に会えず、気晴らしもできない不安。押し寄せるネガティブな感情をどう整理して、前を向けばいいと思いますか?
幸せの基準値をどこに置くか?
まず前提としたいのは、自分で変えられるものと、変えられないものを分けること。いまで言えば、コロナの状況は自分では変えられません。「お客さんが来ない」「友達に会えない」と怒る人もいますが、怒っても1人では解決できない。その状況は受け入れるしかありません。だからこそ、自分で変えられるものに集中する必要があります。
例えば、雨が降ったことを怒ってもしかたがない。自分でできるのは、傘をさすこと。あるいは、建物の中に入って止むのを待つ選択肢もあります。雨の音を楽しんだり、俳句を読むのもありです。そうやって心を平穏にして過ごす人もいれば、雨で落ち込んでしまう人もいるわけですよね。
コロナは経験したことがない不安な状況だし、気持ちの切り替えができない? それなら、アフガニスタンの人たちのことを考えてみてください。彼らはいきなり銃殺される日常があります。人間関係によって処刑されることさえあります。僕らにその日常がないだけ、ありがたいじゃないですか?
ようするに自分ができるのは、「幸せの基準値」をどこまで下げられるか。とりあえず健康で、ご飯が食べられて、住む場所があれば幸せだと。どうにもならなければ、友達の所に転がり込んでもいい。そう思えたら、気分がラクになりませんか?
今、絶対にやってはいけないこと
不安が充満する今、やってはいけないのが「自分を不幸にする質問」をしないこと。うまくいかない人は、ネガティブな質問を自分に投げかけます。例えば、お店をやっている方なら、「お客が来ない、どうしよう?」「どうして自分は失敗したんだろう?」。……そう思うと、自分や他人のせいにして、悲観したり攻撃的になるだけです。
だから、こういう時こそ前向きに自問しましょう。「ここから始まる人生の逆転劇ってどんな感じだろう?」「全く新しい生き方をするなら、どう生きていこう?」って。自分の幸せを想像する質問をすると、不安や怯えは消えます。
ただ、何でもかんでもポジティブがいいわけではありません。「楽観バイアス」には気をつけたいですね。例えば、火事が起きた時に「自分は死なない」と思う人ほど、逃げ遅れてしまう。
コロナにかかった人の情報を見ていると、「まさか自分がかかるとは……」と口々に言います。だから、手洗いを怠ったり、マスクを外して会食をしてしまう。不安のある人は、“かかるかも”と思って慎重になりますよね。つまり、ネガティブな考えに偏っている人は中心まで戻ってこないといけない。ポジティブな人はネガティブなシナリオで考えないといけないわけです。