「人の心理を操れる」メンタリズムの真相。アジアNo.1メンタリストが徹底解説
プロフェッショナルメンタリストをしております、ロミオ・ロドリゲスJr(@mentalistromeo)です。
「メンタリズムとは何か?」と質問すると、きっと多くの人が「心理学で人の心を言い当てたりするもの」と答えると思います。今回の記事では、とっておきのメンタリズムを披露していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
メンタリズムとは何か?
先ほどの質問ですが、もちろんこの答えは間違っていません。ただ、正解でもありません。なぜなら、メンタリズム=心理学というのはあくまでもメンタリズムのひとつの表現の仕方であるからです。人の心理を学べば、テレビに見られるように、心で思っていることを言い当てるパフォーマンスができる、というわけではないということです。
近代メンタリズムというのは今から約100年前に、セオドア・アンネマンという人が作り上げたものです。それまでいわゆる超能力者や霊能力者がやってきたことを、トリックを使ってステージで演じたのが始まりで、のちにそのようなパフォーマンスをする人のことをメンタリストと呼ぶようになったのです。
その後、多くのメンタリストが現れる中で、そのトリックの演出を超能力や霊能力ではなく、人間の心理に合わせた演出をしたほうが面白く納得性があるという流れができ、心理学をベースにした演出をするトリックが流行しました。つまり現在の日本ではこの流れがメインになっている、ということです。
もともとはマジックの分野の中に「メンタルマジック」というジャンルがありますが、それがまさにこのメンタリズムなのです。つまりメンタリズムはマジックであり、メンタリストはそのマジックを演じるパフォーマーだということです。
心理学と心理術の大きな違い
では、メンタリストはマジシャンなのかというと、これが少し違います。なぜかというと、メンタリストはトリックだけではなく、本物の心理術も使うからです。
例えばイギリスで最も有名なメンタリストにダレン・ブラウン氏という方がいますが、彼はトリックと同時に催眠術も実際に使ってパフォーマンスをします。マジシャンは基本的にはトリックに頼りますが、この方はトリックを成立させるために、さらに催眠術を実際に使うのです。視聴者はそのパフォーマンスがもはやどこがトリックなのかがわからないという状態になります。
ここで心理学と心理術の違いを明確にしておきたいと思うのですが、まず心理学とは机の上で勉強するようなもので、あくまでも学問であり、実践向きではありません。心理実験でこのような結果になりました、という結果がわかったところで、実践には活かせられないということです。一方、心理術とは言語を介さなくても人のしぐさや行動でその人の心の内がすぐに理解できるテクニックだということです。すぐにその場で使えること、実践に特化していることが特徴です。
メンタリストはこのような心理術をよく知っており、トリックの中にさらにこのような実践型のテクニックを活用しているからこそ、パフォーマンスを見た人にとってはまるで人の心理を読んで心の内を言い当てていると見えてしまうのです。