北朝鮮、非核化合意で日本はどうなる? 安心するのは大間違い!
6月12日、シンガポールにて米朝首脳会談が行われました。
この会談について「具体的な内容が全く言及されていない」と警鐘を鳴らすのは『金正恩が脱北する日』を上梓した元韓国国防省北朝鮮分析官の高永喆氏。
高氏は「北朝鮮はこれまで国際社会と結んできた約束をことごとく破ってきた。危機意識の欠如は、非核化合意の破棄や残忍な戦争という大参事を招きかねない」と言います。
朝鮮半島の今後、日本への影響は果たしてどうなるのか? そこで、半島情勢の事情に詳しい高氏に、北朝鮮からの日本への影響を聞いてみました。
北朝鮮からの攻撃はこうして誘発される
北朝鮮が日本に及ぼす影響は核ミサイルだけではありません。北朝鮮が朝鮮半島の赤化統一を目指すためには、その最大の障害物である在日米軍の基地施設を破壊し、無力化させなければならないのです。
これが有事の際、北朝鮮が日本攻撃を目論む第一の理由です。戦争の最初期段階で、日本に配置されている米軍の後方支援施設をノドンミサイルで破壊しなければ、再び戦争に負けるという非常に戦略的な考え方です。
北の先制攻撃が勃発する可能性として、次の3つの要因が考えられます。
1つ目は北朝鮮に対する経済制裁と外交的圧力のエスカレートによるもの。国際的な包囲網で締め付けられた北朝鮮が、たまりかねて突然、先制攻撃に踏み切る。
日本に対しても「これ以上の経済制裁は宣戦布告と見なす」と明言しているように、瀬戸際政策を取って来た北朝鮮が生き残るために「正面突破」を図るというシナリオです。
特に懸念されているのは、金正恩の性格の問題です。「度胸があり太っ腹」の彼が、特有の「自己顕示欲」を満たすために、危険な火遊びをする危険性は決して小さくないのです。