伊藤沙莉が親友・松岡茉優と共有するキャリア観「嫌になったらやめよう」
子役としてキャリアを始め、ドラマ・映画と活躍を続ける女優の伊藤沙莉さん(26)。今年は出演映画が8本も公開になるというオファー殺到の人気女優です。
その最旬女優の伊藤さんが、映画『小さなバイキング ビッケ』(10月2日より全国公開)で主人公ビッケの声優を務めました。強い意志で夢を叶えようとする少年ビッケを力強く演じていて、新たな伊藤さんの魅力が開眼している作品と言っても過言ではありません。
誰が見ても順調そうな芸能活動・キャリアの伊藤さんですが、仕事においては人知れず葛藤があったそうです。周囲の目線ばかりを気にしていた子役時代を経て、女優を続ける上での心構えは「いつでもやめられると思っていると、けっこう強気になれる」と語る伊藤さん。表現する仕事について、いろいろお尋ねしました。
成長するにつれ、周りの目を気にし始めた
――ビッケは強い意志を持って夢に向かっていく主人公ですが、伊藤さんの幼少時代はどうでしたか?
伊藤沙莉(以下、伊藤):小学生の頃にはもう「世界を渡り歩く女優になる!」と言っていました(笑)。将来の夢を書く紙にも、いつも大きく「女優!」と書いていました。でも、だんだんとそれを書かなくなって。「やっぱり難しいかな」「そんなこと言うの、照れ臭いかな」とか、いろいろな感情が成長していくにつれ、混ざっていって、気にしなくてよかったはずの人の目を気にしていました。
――周囲の雑音が気になり始めますよね。
伊藤:「みんなにどう思われる?」のようなことですよね。自分だけで思っていればよかったものを、他人の評価や目線を気にし始めてしまう。それはすごくもったいないけれど、けっこうやりがちなことではありますよね。だからビッケの姿を見ていると、あのときのわたしは無敵だったなと思います。
自分から行動することがなかった
――女優志望は、何がきっかけだったのですか?
伊藤:ダンサーになりたくて3歳から教室に通っていたのですが、キッズダンサーの掲示板にドラマオーディションの募集が貼り出されていました。そういうことはすごく珍しくて。一緒に通っていた友達のお母さんが「試しに受けてみたら」と。
――よくある他薦のエピソードに近いですね。
伊藤:「受けてみない?」と言われたけれど、最初は興味がなかったんです。基本的に自分から行動することが小さい頃からなかったんです。それで、受けてみたら、たまたま受かったという、本当に“あるある”です(笑)。最初はダンス教室も叔母に言われて始めていて、自分発信ではなかったんですよね。コロコロ夢が変わるタイプなので。それが定まったと感じたのは、俳優の仕事を始めてからです。