「35歳で転職経験ゼロはヤバい」コロナ下で逆転キャリアを築くには
新型コロナウイルスの感染拡大により、会社の倒産や失業者が多数発生しています。日本中の誰もが知るような大企業でも大きな赤字決算が次々と発表され、日本経済全体が危機的状況に追い込まれました。
しかし、こんな時だからこそ新たなチャンスが生まれるという声も。2010年に発売され、今年文庫化された『20代で人生の年収は9割決まる』(日経ビジネス人文庫)の著者で、現在はエリエス・ブック・コンサルティング社の代表取締役を務める土井英司氏もそう主張する一人。
前回「自身のキャリアと20代の過ごし方」について語ってもらった土井氏に、アフターコロナの社会と逆転人生の方法論を聞きました。
「形のない情報」が大切になってくる
――アフターコロナの社会はどう変化していくと思いますか?
土井英司(以下、土井):すべてを情報化していく時代なので、「形のない情報」が大切になってくると思います。例えば、「ワイン」なんかはわかりやすいですよね。ワインそのものというより、歴史やストーリーに値段がついているという感じ。私たちは「モノ」を買うのではなく「モノに載っている情報」を買っていますから。
あと、世界のグローバル化も終わり、だんだんブロック化していくのではないでしょうか。
――では、こうした社会状況の中でどんな分野が伸びていくのでしょうか。
土井:「農業」の分野が有望ではないかと考えています。ブロック化する社会では、ある程度国内で生産力をまかなう必要がある。そう考えると、グローバル社会を前提にした農業の生産力は圧倒的に足りない。すると需要に対して供給が少なすぎる状況が生まれ、立場として供給側が圧倒的に有利になります。農家がこれに気づければ、かなり儲かるビジネスになりますね。
アフターコロナは「農業×情報化」に注目
――「情報化」と「農業」の組み合わせが大切なのですね。
土井:そうなります。農業でボロ儲けする人たちの話を聞いていると、「供給がいちばん少ないタイミングを狙って出荷する」という共通項に気づきます。これは典型的な投機なので、今後の農業は「ブランドビジネス」であり「投資ビジネス」になっていくのでしょう。これでも十分に「情報化ビジネス」なのですが、ドローンやAIの活用でその色はさらに強まります。
実際、アメリカの農業はすでに「情報を集めるビジネス」になっていて。ただ、日本ではJA(農業協同組合)という大きな枠組みに保護されているなかで、情報化が全く行き届いていないので、これから面白いんじゃないかと。