受験競争の果てに…東大卒女子が苦しむ“逆学歴コンプレックス”
東京大学の調査によれば、2017年5月時点で東大の学部生のなかで、女子学生は2割に満たないそうです(:参照)。
熾烈な受験戦争を勝ち抜き、男子学生からの「やっぱり女子大のほうがカワイイよな」という値踏みにもめげず“究極の高学歴女子”として邁進してきた彼女たち。
その学歴があれば、晴れて社会人になった後も順風満帆な生活が約束されているように思えますが、果たしてその実態は……?
東大卒業後、憧れの出版社業界に
牧野諒子さん(仮名・29歳)さんは、2012年に東京大学経済学部卒を卒業しました。
「就活をしていた頃、『東大卒』ということでESや一次選考は99%通過しました。『なんで東大、しかも経済学部なのにメディア業界を受けるんだ!?』と驚かれたことも少なくありません」
学部の卒業生の中には大手出版社へ入社した先輩もいたため、選考対策も立てやすかったという牧野さん。おかげで念願だった出版社に無事就職が決まり、営業部に配属されたそう。
研修では持ち前の生真面目さでコツコツ課題をこなし、「飲み込みが早い」と褒められたものの、「入社して3か月ほど経った頃から雲行きが怪しくなってきた」と言います。
「東大なのにお茶の淹れ方も分からないの?」
「新人は本分である営業のほか、お客様へのお茶出しや電話対応、備品の補充などの雑務に追われます。2年目に広報部へ異動してからは、毎日お昼休みに上司のお弁当を買いに行くのも業務のひとつでした」
同期の中で紅一点だったということもあり、雑用を任せられる頻度がもっとも高かったという牧野さん。
「これらの仕事にももちろん全力で取り組んだのですが、何かにつけ『東大のクセに気が利かない』と言われて……。
お茶を淹れれば『もっと濃く淹れなさいよ! 東大なのにお茶の淹れ方も分からないの?』って、いやいや東大に通ったからって何でもかんでも知ってるわけじゃないですから!」