話題の“東大王”が教える、目標達成への「コツコツ式」「日めくり式」勉強法
資格習得やキャリアアップ、社会人になっても勉強する機会は意外と多い。休憩中や帰宅後に勉強時間を確保している多忙な20代ビジネスマンのなかには、ついダラダラと机に向かっているという人も多いはず。
開成高校在学中に全国高等学校クイズ選手権で優勝し、現在は東大クイズ王としてバラエティ番組で活躍する東大医学部6年生の水上颯氏。
初の著書『東大No.1頭脳が教える 頭を鍛える5つの習慣』では、「才能」でも「素質」でもなく、「習慣」で頭は鍛えられると主張。そのなかから、今回は「勉強をする際の目標の立て方」について紹介する(以下、水上氏寄稿)。
「どう進むか」が肝心
僕たちが勉強するときは、必ず何かしらの目標があります。まったく目的がないのに勉強できる人なんてほとんどいないでしょう。目標は人それぞれで、「〇〇大学に合格する」「〇〇の資格を取る」といったプラクティカルなものから、「英会話ができるようになる」「世界史の知識をつける」といったやや漠然としたものまであります。
そのとき、大きすぎる、あるいは遠すぎる目標を立ててしまうと、そこに到達するまでの道筋がわからないという事態が発生します。「〇〇大学に合格する」という目標があることはたしかだけれど、何をどれくらい勉強したら合格できるかが見通せずに途方に暮れてしまうのです。
そういう状態で「とにかく頑張ってみよう」「やればできるだろう」と見切り発車すると、やがて行き詰まってしまいます。これは、登山の装備も計画も持たない探険家が、いきなりエベレストに登ろうとしているようなものです。
とにかく上に行けばいいと思って一合目から登り始めても、適切な準備をしていなければ、やがて道に迷い遭難してしまうでしょう。だから僕は、大きな目標にそのまま向かうことをせず、小さな目標=スモールステップに分解していくようにしています。
スモールステップをどう設定するか
スモールステップの設定方法には、2つのパターンがあります。ひとつが、大きな目標に到達するまでの道筋を整理し、スケジュールに落とし込んでいく方法。
たとえば、「大目標=大学合格」のためにマスターしなければいけない参考書が10冊あるとしたら、中目標として1冊ずつの締め切り日を決め、さらに1冊の内容を章や項目ごとに分け、それぞれをいつまでに読破するかというような小目標に振り分けていきます。
こういう方法をとれば、うんざりするような大量の参考書でも、いずれやり切ることができるでしょう。ただし、これはコツコツやるのが得意な人でないと大変です。階段を地道に一段一段上がっていけば、やがて目的地に到達できます。
しかし、一段上がるたびに「また、同じように上がっていかなくてはならないのか」と、苦しく感じることもあるでしょう。そもそも、全体の見通しをある程度立てられる計画性がないと、大目標から中目標に分解していくことすらままなりません。
取材などで、計画性をもって勉強するためにはどうすればいいのかと聞かれることがありますが、たいていの人間には計画性なんてないものです。だいたいの見通しから毎日のノルマを逆算できるのは、たくさん経験を積んだ人だけと考えておきましょう。