焦る女子大生を狙う“内定チラつかせ”オジサン。「業界のこと教えるよ」と誘う最悪手口
厚生労働省が先日発表した大学生の就職内定率は2018年12月の時点で過去最高の87.9%とされ、昨年同時期と比べ、上昇傾向にあります。
とはいっても就活を始める学生にとっては何かと不安や焦りがつきもの。企業エントリーまでに業界研究、企業研究をしっかりして、他人より良いスタートダッシュを切りたいという方も多いでしょう。
今回は、そんな学生の心理につけこむ、最低最悪な「内定チラつかせオジサン」の実態について取材したケースをご紹介します。
「行きたい業界の話、聞かせてもらえるよ」
「焦るから、こういう事になっちゃうんだなと思いました」そう語るのは、今年やっとの思いで内定を決めたAさん。彼女は都内の大学で経営学を学んでいる学生です。大学2年生の後期、仲の良い友人が、すでに企業研究を始めていることを知って焦っていたそうです。
「当時の私は就活について何も考えていなくて、自分の大学のランクがさほど良くなかったこともあって、友人の話を聞いて焦りましたね。そんなとき、サークルで知り合った男の先輩から『業界の話を聞かせてくれる社会人の知り合いがいるんだけど、会ってみないか?』という誘いがありました」
先輩に仲介してもらい、他2人の女子大生とともにYという人と会うことになったAさん。初対面はカフェレストランでした。
「Yさんは普通のオジサンでした。部下を2人連れていて、名刺も渡されたんですが、私が憧れていた大手化学メーカーの営業部長で驚きました」。
当初は「女子大生3人と会社員3人の合コンみたいだな」と思ったものの、ほか2人の女子学生が質問を始めると勉強会という雰囲気になり、一安心。メモを取りながら話を聞いたそうです。
ひとしきり話したYさんはその後、仕事があったようで、連絡先の書いた紙を女子大生たちに渡し、「何かまた質問があれば連絡ちょうだい」と言って立ち去りました。
タメになる業界の話も聞け、何より他の学生とは違う、ワンランク上の就活をしているという感覚もあって、Aさんはこの時、「良い出会いをした」と思っていたそうです。
「酒を飲まない女はうちの会社に入れる気になれない」
その後、Yさんから「有料セミナーで、資料を余分にもらってきたから渡したい、会えないか?」と連絡があり、2人でまた会うことになりました。
「連絡があったとき、なんで私だけ? と思ったのですが、大学のレポートに書けるような話も聞けるかもしれないと今回も勉強する気持ちで会いに行きました」(Aさん)
呼ばれたのはYさんに指定された都内のBAR。「君も飲みなよ」とお酒をすすめてくるYさん。お酒が苦手だったAさんは、メモを取るためにという口実で飲酒を断ると、「酒を飲まない女はうちの会社に入れる気になれないなぁ」としつこく飲酒を迫られたそう。最悪のオヤジですね!!
「会社に入れてくれるって言葉を初めてほのめかしたので、お酒に付き合えば就活で口利きしてくれると思って嬉しくなっちゃって、その日は飲むことにしました」