データ不正で赤字100億円のKYB。社員のホンネと労働環境は?
今回不正を起こした事業は全体の業績のわずか…
1919年、KYBの前身である萱場製作所は創業され、今年で100周年を迎える、歴史ある企業です。また、連結従業員数は1万5460名という大規模な企業で、従業員の平均年齢は39.7歳、平均年収は657万円となっています(Yahoo!ファイナンスによる)。
国税庁が発表している平成29年度版の民間給与実態統計調査によると、サラリーマンの平均年収は約432万円であることから、比較的給与の高い企業であることがわかります。
現在、免震不正が話題になってはいますが、実はKYBの主要事業は、免震装置でなく、衝撃緩衝器などの、自動車等関連事業です。
KYBの公式サイトによると世界シェア第2位を誇る自動車関連事業が、KYBの業績に占める割合は60%。それに対し、免震・制震オイルダンパーは、全体の1%ほどの業績しかありません。
2020年の東京オリンピックへの影響も懸念…
もちろん全体の事業における割合がわずかであっても不正は許されることではありません。
事実、KYBは10月23日、この問題への対応のため2020年9月までの2年間、免震装置の新規受注を中止し、データ改ざんが行われた装置をすべて取り替えることを公表しました。
東京オリンピックが近づき、建設業界での人手不足が問題になっているなか、予定通りに装置の取り換え作業を行うことはできるのでしょうか。