ブラック企業の「辞めさせない工作」。1年目で退職届を出したらシュレッダーに…
大手に買収され労働環境が激変!
相変わらず多忙を極めるなか、諦めに近い境地で働き続けた浜田さん。風向きが変わったのは、某大手ハウスメーカーに買収されてからで、それまでのブラックな空気が一掃されるような印象を受けたといいます。
「遅くても21時には帰れるようになりました。何より定休日が設けられたことにより、週休2日になったんです。繁忙期以外なら事前に申請しておけば有休も使えるし、ようやく人並みの生活が送れます」
ようやく時間に余裕ができた浜田さんは6年間の空白を解消しようとしています。
「今さらですが、インスタを始めました。知人の現状を知りたくて。何せフェイスブックは数年ログインしていませんし、忙しすぎて同級生との飲み会にも顔出せなかったので」
晴れて結婚も、思わぬしがらみが…
Netflixやhuluの存在も最近知ったという浜田さん。
「自由な時間がまったくなかったのでレンタル屋で借りては延滞してのループが嫌になって、映画やドラマを見る習慣自体がなくなっていましたが、ネットで完結するならこれならあのときくらい忙しくても心配ないですね(笑)」
現在は、同じ会社の別の店舗で勤める女性と婚約しているという浜田さん。挙式は近々ハワイで挙げるといいます。なぜハワイなのでしょう。
「本当は地元が良かったんですけど、結婚式場と癒着してる先輩がいて、やたらと自分の息がかかった式場を勧めてくるのが嫌になったんです。でも無下に断って働きづらくなるのも避けたい。それならいっそ海外でしかやる気がないって言えば、諦めるだろうなって思って」
労働環境は変わっても苦労は絶えないようです。
― 特集・Around30解雇のリアル Vol.7 ―
<取材・文/蒲須坂正男 イラスト/真船佳奈>
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