4万件超「いいね」“話題を呼ぶハンバーガー”の仕掛け方。モスバーガーに聞く
企画なしでの商品開発はしない
続けて永野氏が話したのは商品開発のコツ。長年の経験を簡単にまとめるとするなら、「要点は“想像力、“記憶力”、“情報収集力”にある」と話している。
「モスバーガーでは企画なしでの商品開発はしないんです。必ずスタートとなる企画があって、それを商品開発部が揉んで商品を作り上げる。企画を活かすために一番大事な美味しさを作り上げるため、『これをこうしたらこんな味に、こんな商品になるはずだ』という想像力を働かせます。
以前リニューアルしたテリヤキソースには、“バルサミコ酢”、“黒すりごま”、“カカオパウダー”といった意外な調味料が加わりました。想像と違う味になってしまうこともありますが、試行錯誤のためにはまず想像力が大事だと思います」
キーワードは想像力×記憶力×情報収集力
「さらに方々で雑談した中で必要な情報を覚えておく記憶力、商品の味と企画を成し遂げるために必要な情報を集める力、これらがアイデアの源泉となって、商品が組みあがっていくわけです。お取引先と雑談中に新しい情報をもらって、じゃあこんなのも面白いんじゃないかと生まれるアイデアも多いくらいですよ」(永野氏)
いつだってSNSで話題になるのは、見た人の感情を動かすモノだ。「これならSNSでバズるぞ」と考案された独りよがりなアイデアではなく、さまざまな人とコミュニケーションを取る中で生まれた商品がバズるのは自然なことだったのかもしれない。
味という大事な軸はずらさないまま、驚きの新商品を生み出し続けるモスバーガー。次はいったいどんなアイデアが飛び出してくるのだろうか。
<取材・文/上山龍介>