4万件超「いいね」“話題を呼ぶハンバーガー”の仕掛け方。モスバーガーに聞く
商品開発のキモは“雑談”にあり
味とインパクトを両立させている商品群は、どのようなプロセスで生み出されているのか。商品開発の考え方について、永野氏はこのように自己分析している。
「商談の際は普段から雑談が多い人間で、お取引先とは取引の話だけでなく、『最近はどんな家庭用食品が伸びている』だとか『こんな設備を導入した』なんて話をしているんです。ところがこの雑談が『じゃあ今はこの商品が求められているかも』『これを作る時はあのお取引先にお願いすれば理想に近い商品ができるかも』といった話に繋がってくる。
本当に美味しい良い商品を作るためにいろいろな情報が役に立つんです。アイデアが煮詰まらない時は、部下や協力会社様とコミュニケーションを取って打開策を探すなど、雑談力が発想の原動力になることが多いですね」
「正直面倒くさいと思いましたが」
山口氏も大きくうなずき、「自分では気づけないこともあるので、私も悩んだ時は上司や先輩を巻き込んで大騒ぎすることがあります」と宣伝広報の裏側を語る。
「それこそ一頭買いバーガーのメディア発表会で『牛肉の全19部位を塊のままディスプレイしたい』ということに決まった時は、永野さんの力を借りるために社内で追いかけまわしてました」
永野氏は当時の状況を思い出して、苦笑いの表情で「正直面倒くさいと思いましたが……」とこぼしていた。