4万件超「いいね」“話題を呼ぶハンバーガー”の仕掛け方。モスバーガーに聞く
バズりと味のどちらを優先?
つい昨年末にも、和牛を一頭買い付けて贅沢に仕上げた「一頭買い 黒毛和牛バーガー ~特製テリヤキソース~」を発売した同社。しかし両氏によると、商品開発の段階においては「バズり」を最優先にしているわけではないという。
率直に永野氏へ「バズりと味のどちらを優先しているのか?」と質問したところ、「美味しいかどうか。これがなにより大事です」と即答が返ってきた。
「私は商品を開発する際、モスの根幹である“美味しいかどうか”を優先的に考えて作り上げます。できあがった商品を販促や広報が宣伝する際にはもちろんいろいろな方策を考えてくれますが、バズありきで商品を作っているということはないんですよ」
「一頭買いバーガー」の誕生秘話
先に挙げた「一頭買いバーガー」についても、「2年ほど前から輸入牛肉の高騰が続いていて、牛肉自体が手に入りづらい価格になりましたよね。そこで国内に目を向けました」と永野氏。
「国産の黒毛和牛の商品を作れば、一般の方に良いお肉を気軽に食べていただけること、またそういうことがモスの存在価値であるという発想が、同商品のスタートでした。仕入れ先と話し合いをする中で、一部位だけでなく、一頭まるまる買い付けたらコストも抑えられるとわかったため、アイデアが実際に商品化できたのです」
商品開発のキモについては、山口氏も「旬や季節感も大事です」と語る。
「他には店舗で提供する時に手間がかかりすぎるとか、商品写真と同じものが作りにくいといったオペレーションの問題も考慮しなければなりませんが……。もちろん商品開発チームでも意識はしているものの、最優先というわけではないんです。作り上げた味をどう宣伝するのかは広報の仕事、いかにバズらせるのか、というのはSNSチームの仕事ですから」