フジロックCMが賛否両論。「ダサ過ぎる」の声が映し出すロックの現状
ベタに込められた歴史の重み
こうして見ると、“ダサい”フジロックのCMがいかに核心をついているかがわかるのではないでしょうか。1997年の第1回から数えること25年。ミュージシャンやファンがいつまでも若くないのと同じように、フェスだって成熟する。いつまでも鋭いセンスでとんがっているわけにはいかないのです。
ハメを外すサラリーマンというベタに込められた歴史の重み。フジロックが文化である証なのだと思います。
<TEXT/石黒隆之 音楽評論家>