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「気がおかしくなりそう…」 離婚問題に苦しむ女性に立ちはだかる“お金のリアル”

学び

2. 養育費は必ず、離婚前に話し合い

久保田

社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーの久保田あきみさん

「取り決めをきちんとしていると、子どもの養育費の不払いの問題が生じた場合にも役立つことがあります。今回の事例の女性には3歳のお子さんがいるようですから、養育費《※子どもを監護・教育するために必要な費用。未成熟子(経済的・社会的に自立していない子)が自立するまでに要する費用で、例えば衣食住に必要な経費、教育費、医療費など》は必ず、離婚前に話し合い、取り決めをしておくことです。

 例えば、厚労省子ども家庭局の調査で『離婚時に養育費の取り決めをした』と回答したのは約43%、『養育費を現在受け取っている』と答えたのは約24%なのです。双方で合意に至らなかったり、話し合いすらできなかったりする場合は、弁護士や調停の力を借りることも考えてみるとよいでしょうね

 久保田さんによると、養育費の金額は裁判所が作成した「養育費算定表」を基準にすることが多いという。次のものが「養育費算定表」に基づき、試算したケースとなる。

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① 夫:年収600万円 妻:専業主婦 乳幼児の子ども1人:月8万円
② 夫:年収300万円 妻:専業主婦 乳幼児の子ども1人:月4万円
③ 夫:年収600万円 妻:120万円 高校生の子ども2人:月10万円
④ 夫:年収600万円 妻:600万円 高校生の子ども2人:月7万円
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「実はこの金額の中には、公立高校進学までの教育費しか含まれていません。私立高校や大学に進学を考えている場合は、別にきちんと取り決めをしておくことが大切です

共働き家庭が離婚をすると収入は?

 サンプルとして、久保田さんがある家庭(30代で共働き、幼児1人)のケースを試算したのが以下のものだ。

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【30代共働き家庭の月収】
夫:会社員 年収500万円 妻:会社員 年収300万円
子1人(4歳、幼稚園)の場合、
・給与:44万円(夫27万+妻17万)
・児童手当:1万円
計 45万円

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 離婚すると、妻の収入は次のようになる。

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【妻の月収】
・給与:17万円
・養育費:4万円
・児童手当:1万円
・児童扶養手当(母子手当)0円
計 22万円

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