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大学発ベンチャー企業が「コオロギせんべい」を無印良品と協業に至るまで

ビジネス

コオロギの商品化は「課題が山積みだった」

グラリス

廃校になった小学校を利用したグリラスの美馬ファーム(生産拠点)(画像提供:グリラス)

 最初は企業に参画してもらって商品の販売をおこなう予定だったものの、当時は誰も扱ったことのないコオロギの商品化に、課題が山積みだったと言う。

「また、コオロギが“虫”であることから、本来は虫がいないはずの食品工場に持ち込めないという問題もありました。たとえ持ち込めても、甲殻アレルギー要素を持つコオロギを生産する場合には、これまで生産していた商品すべてにアレルギー表示が必要になるなどリスクが大きすぎたのです」

 どの企業もリスクをクリアできる見通しが立たなかったことで最終的な決裁が降りず、企業の参画は叶わなかった。そこで、ベンチャーを発足した。

「我々の手で、コオロギの飼育から食品加工、そして販売までを手掛けるベンチャーを2019年に発足させました。また今年6月からは『C. TRIA(シートリア)』というブランドも立ち上げています。『C. TRIA』では、フードロスを活用して国内生産した食用コオロギを使用し、現在は『C. TRIA クランチ』のほか、『C. TRIA クッキー』ではココア味とハーブ&ガーリック味の2種類を販売しています」

コオロギクッキー、クランチを実食!

グラリス

左から「C. TRIA クランチ」「C. TRIA クッキー」

 チョコレートクランチとココアは、一般的な商品に少し香ばしさがプラスされた感じでとくに食べやすく、コオロギ食に初チャレンジするのにピッタリの商品だと思った。また、コオロギの見た目を想像させず、虫が持つ独特のニオイなどが感じられず、コオロギせんべい同様グリラスの企業努力を感じた

「ありがとうございます。現在コオロギ入りの商品をはじめて食べるという方にも食べていただけるよう、グリラスのLINE公式アカウントへの友達登録で割引というキャンペーンも開催中です」

 東京のレストランや徳島のラーメン店とのコラボも話題だが?

グラリス

「中華そば田村」のコオロギラーメン。昆虫が苦手な人のためボヤっと撮影。赤丸部分にコオロギ

「弊社が本社を置く徳島県では、徳島ラーメンに定評のある中華そば田村と、東京のレストラン“ANTCICADA”でコオロギラーメンを召し上がっていただけます」

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