キャリアアップは「偶然が8割」 偶然を味方につける5つの行動特性
漫然と仕事をするだけでは経験の蓄積にならない
みなさんが真剣に取り組む現在の仕事経験の蓄積もまた「Connect The Dots」です。ただし、漫然と仕事をするのではなくて、自分の経験を分析し、必要な資産を自覚的に蓄積していくことがキャリアの転換には必要です。
そうやってみなさんのなかに蓄積された、たくさんの「Dots」が「Connect The Dots」を起こして新しいキャリアの可能性を拓いてくれるのです。わたし自身も、そのような「Connect The Dots」の経験があります。
重要なのは、目の前の仕事に真剣に取り組み、自分の経験を分析し、資産を自覚的に蓄積していくこと。そういった経験の蓄積が新しいキャリアの可能性を拓き、そこでの経験がまたさらなる蓄積となるのです。こうしたキャリアの転換は生涯続き、蓄積を連鎖させることで何歳でも、何度でも新しいキャリアへの転換が可能です。
個人のキャリアは「偶然が8割」
ここまで、人生というゲームのルールが変わり、それに適応するためにキャリアの転換が必要であることを確認してきました。そして、キャリアの転換には仕事を通じた経験の蓄積と連鎖が欠かせません。しかし、キャリアの転換にはもうひとつの大きな要素があります。それは「偶然」です。
偶然はわたしたちのキャリアに大きな影響を与えます。スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授(当時)らが1999年に提唱したキャリア論の「計画的偶然性理論」をご存知でしょうか。この研究によると、個人のキャリアの8割は予想もしない偶然によって決定されると言います。
会社員を例に考えてみましょう。そもそも、どういった部署に所属し、どういった上司と働くことになるのかは、多くの場合自分の意志とは関係なく決まります。
また、どれだけ成果を出していても、それを適切に評価されなければ昇進することも、自分の希望する働き方もままなりません。それに、実際に働くなかで興味や関心が移り変わることもあるでしょう。