突発性難聴になったラッパー輪入道に聞く「手話ラップ」に挑む理由
――音楽活動で耳を酷使しすぎてしまった……?
輪入道:ハッキリした理由はよくわかんないんですよ(笑)。聴こえづらい状態で固まってしまったぽくて、良くなることはないと言われてます。今はこれ以上、悪くならないよう治療を続けている状態ですね。
――難聴になった当時はどういった心境でしたか?
輪入道:最初の頃は周りのせいにしまくってました。「ストレスを与えるアイツのせいだ」「この仕事のせいだ」とか。あと、これはヒドい話ですけど「なんで音楽やってる、俺が? ほかのヤツが聴こえなくなればいい」とも思いました。
でも、よく考えると、自分がもっと早く処置をしていれば良かっただけなんですよ。おかしいと感じたらすぐに病院に行っていれば大丈夫だった。そういう想いもあって、今回のコラボレーション曲では「聴こえなくなった原因は自分」という歌詞を書きました。
――そのような考え方に変わるきっかけはありましたか?
輪入道:1か月くらい毎日、点滴や炭酸ガス吸入をやったんですが、全然良くならなくて逆に諦めがついたというか。ライブの予定は入ってくるし、「感動しました!」ってお客さんも言ってくれる。何より歌詞で「人のせいにするな」みたいなこと言っていたんで、自分がそうするのは「超ダサいなぁ」って(笑)。
――ステージに上ったり、お客の反応を見ているうちに変わったということですか。
輪入道:キレイごとを言えばそうですね(笑)。人のせいにしてもずっと止まったまま、自分が悪いときは、それを受け入れたうえで進んで行くしかないと思っています。その手段としてラップを使っているところもあります。
自分の嫌なところも込みで、全部本音で吐いていくことで問題が整理される、精神的に整っていくみたいな感覚があるんです。聴く人から見て、オナニーみたいにならないようには気をつけていますが。