突発性難聴になったラッパー輪入道に聞く「手話ラップ」に挑む理由
「フリースタイルダンジョン」(テレビ朝日系)2代目モンスターとしても活躍し、大きな注目を集める異形のラッパー・輪入道さん(28)。
前回に続くインタビュー後編では、手話パフォーマンスグループ「HANDSIGN」との新プロジェクト、自身の突発性難聴、シーンの次代を担う新世代への想いなどを聞きました。
ラップと手話の融合「軽々しい気持ちでできない」
――手話パフォーマンスグループ「HANDSIGN(ハンドサイン)」とのコラボレーション企画について聞き、とてもびっくりしました。ラップと手話の融合……イメージができないのですが。
輪入道:HANDSIGNさんは、ダンスに手話を取り入れたパフォーマンスグループですが、自分は彼らの中で手話をしながらラップをさせていただきます。
ラップをするのと同時に、自分で書いた詞の内容を表す手話をさせていただく感じです。右手でマイクを握り、左手で手話をします。
――ケンドリック・ラマーなど、海外の有名ラッパーによる「手話通訳」付きのライブは見たことがありますが、ラッパー本人がラップをしながら手話をする、というのは前代未聞のチャレンジのように思います。
輪入道:初めの頃はそうでもなかったのですが、練習しているうちに「とんでもないことをやろうとしてんなぁ」と気づきました(笑)。専門の先生に教えていただいているのですが、手話って思った以上に繊細な言語なんですね。
当たり前なんですが、指の位置だったり、出し方、タイミングによって相手に伝わる意味がまったく違ってくる。絶対、軽々しい気持ちでやるものじゃないなと。今(取材日6月30日時点)、本気で練習してるし、本番が楽しみです。
――どういったきっかけで今回のコラボが実現したのですか?
輪入道:HANDSIGNの方が、「暴道祭」という自分の主催イベントに足を運んでくれて、その後もネットラジオの番組にゲストで来てくれたりしまして。
そこで彼らの話を聞いて、パフォーマンスを見ているうちにだんだんと共感して……という感じですね。手話はそれまでやったこともなかったし、見たことすらあまりなかったんですけど。
お待たせしました!今週は HANDSIGN 「新時代」feat.輪入道 のDance practiceバージョンです。(音はリハ用デモ音源)https://t.co/lWy7ro8kcE pic.twitter.com/sLND4nWLbI
— HANDSIGN 僕が君の耳になる (@HAND_SIGN) 2018年7月12日
――HANDSIGNの活動のどういうところに共感しましたか?
輪入道:まぁ、単純にカッコよかったからという感じがデカいんですが、実は自分は突発性難聴でして、3年前から左耳があんまり聴こえないんですね。右耳が10とすると、左は3くらい。そういうところで関心があったかも知れません。