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ディズニーとAppleの参戦で激化する「アメリカ動画配信ウォーズ」

ビジネス

 CNNによると、オリジナルコンテンツに力を入れたいAppleは、すでにスティーブン・スピルバーグ監督のほか、アカデミー賞受賞歴のある女優、リース・ウィザースプーンやオクタヴィア・スペンサーとの作品製作契約を結んでいるとか。

Apple

© Alexey Novikov

 つい先日も、アメリカ人女性に絶大な人気と影響力を誇るテレビ司会者で、たびたび大統領候補にも名前が挙がるオプラ・ウィンフリーと、彼女の書籍や映像コンテンツの独占配信に関する高額契約を交わしたことが話題になりました。

 各社、個性を打ち出すことで契約者数を伸ばそうと必死な動画配信業界。Netflixはオバマ元大統領夫妻と、Amazonはエグゼクティブ・プロデューサーと主演を兼任してドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』をヒットさせたばかりのニコール・キッドマンと、新シリーズの製作・配信に関する独占契約に成功しています。

気になる20世紀FOX買収の行方、勝者には特典も

 こうした盛り上がりを背景に、関連会社の合併や買収も相次いでいます。

 現在、世界がもっともその動向に注目しているのが、20世紀フォックスの買収合戦の行方。ディズニーの一人勝ちかと思われていたところに、ケーブルサービス会社のコムキャストが買収の名乗りを上げたことで、自体が一変しました。

 実は、動画配信サービスで米国内第3位のHuluはFox傘下。そのため、CBS Newsは「ディズニーとコムキャスト、どちらか勝った方がHuluのストリーミングサービスの実権を握ることになる」と、買収劇の裏事情を解説しています。

 Bloombergによれば、コムキャストは、ワーナー・ブラザーズやHBOとともにタイム・ワーナー社の傘下にあり、タイム・ワーナーは大手通信会社のAT&Tに買収されたばかり(新社名:ワーナーメディア)。

 もし同社がこの買収に成功すれば、超巨大メディアが誕生することになります。

 地上波、ケーブルテレビ離れがますます進む米国。現状ではNetflixとAmazon Primeが2大巨塔ですが、今後はこの順位の入れ替わりもありえるかもしれません。

<TEXT/橘エコ>

アメリカ在住のアラフォー。出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中

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